第七十話 ネリー=リバイラル
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した。
「あの人は死んだんじゃない。中に入ったんだ」
「中に入った」
「そうさ、見てみるんだ」
前を指差した。
「あの勇のブレンを。あれが何よりの証拠さ。あの人がいることの」
そこにあるユウ=ブレンはそれまでとは形が違っていた。青い色は変わってはいなかったがそのシルエットはネリー=
ブレンのものと合わさったものになっていたのだ。
「泣くなよ」
勇はその生まれ変わった自分のブレンに対して言った。
「俺のブレンは雄々しかったんだぞ。そのビットだって取り込んだんだ。だから」
そして言う。
「もう泣くんじゃない」
「・・・・・・・・・」
ブレンはそれ以上何も言わなかった。ただ泣くのを止めた。丁度そこで仲間達がやって来た。全ては終わったのであった。
勇は一旦ブレンから降りた。そして小屋の側まで行く。
「ネリーさんの方身を埋めるつもり?」
側にやって来たヒメが問う。
「ああ」
勇はそれに頷いた。
「俺もブレンも何時までも泣いているわけにはいかないからな」
そう言いながら穴を掘る。
「ブレスレット一つの記憶より」
ネリーが着けていたブレスレットを見詰めながら言う。
「俺達の中に染み込んだネリー=キムの思い出を大切にしたいからな。一杯あるだろ?」
ここでネリー=ブレンを振り返る。ユウ=ブレンと合わさったネリー=ブレンを。
「・・・・・・・・・」
「御前の中にはネリーも、俺のブレンもいるんだからな」
「この子の中にネリーさんがいるんだ」
「そうさ、俺達はずっと一緒だ」
勇はまた言った。
「ずっとな。これからも」
「ネリーさんはいい人なんだね」
「ああ」
ここでヒメは過去形を使わなかった。
「人を愛していたんだ」
「そうだろうな。だからバロンを恐れていた」
「バロンを」
「ネリーはバロンとジョナサンがオルファンに入ることを恐れていた」
「あの人達を?」
「そうさ。けれど俺達は今一つの記憶を封印しよう」
彼はブレスレットを埋め終えて言った。
「これからの戦いの為に」
「うん」
二人はネリーと共に戦艦に戻った。彼等もまた生まれ変わったのであった。
「よかった、無事で」
勇を皆が出迎えた。その中にはイルイもいた。
「心配したんだぞ」
「済まない、皆」
勇は申し訳なさそうに頭を下げた。
「心配をかけてしまった」
「いや、それはいいさ」
「御前が無事だったんだからな」
彼等は口々に言う。
「皆・・・・・・」
「それよりもそっちは色々あったみたいだな」
「ああ」
勇はこくり、と頷いた。
「何かとな。けれどもう平気だ」
「そうか」
「それは何よりだ。御前のいない間にオルファンでも動きがあったしな」
「オルファンでも」
「ああ」
ラッセが答えた。
「完全に海面から離れ
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