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魔法と桜と獣
二話 桜とさくら
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いく。

「子供ッ!?」

 だからだろう周囲の索敵を怠っていたせいか、少女の接近に気付けなかった。

「ッ!?」 

 だが、その声を聴いた瞬間、条件反射のように体は動いていた。右腕を懐へと差し込み、コートの裏側に縫い付けてあるホルスターから其れを抜き取ると魔力を流し込む。
 そうしようとするが

「……ッ」

 背後に現れたのが少女だとわかり、すぐにそれを取りやめる。
 よく気付けば害意は感じられない。

「誰だ……」

 それが水無月悠二と彼女との初めての出会いだった。
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