二話 桜とさくら
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えるわけだ」
体が縮んでいた、しかも大幅に。それはたしかに視線も低くなろうというモノだ。転生する前、彼の身長は決して大きくはないが少なくとも170はあったはずなのにいまは135pに届くか届かないかというほどしかない。
彼の言うとおり、どう見ても背伸びをした小学生の少年にしか見えないだろう。
しかも、ご丁寧に来ていた黒いスーツまでサイズを図ったかのようにピッチリといまの体に合っている。
「――どう考えてもアイツの仕業だよな……」
自分に転生しろとほざいた少女のような神を思い出して呟く。
だが、普通なら二度目の人生など無い身、それを与えてくれた彼女に礼こそ言えても、文句などありはしない。
「――まあ、念のためにとりあえず、体の状態だけは見とくか。同調(トレース)開始(オン)」
水無月悠二は普通の人間ではない。魔術師。少々、いやかなり異端と呼ばれる存在だったが、広義的にはそう呼ばれる人間の類であった。その証拠に悠二の体内には魔術を扱うための擬似神経『魔術回路』が数は特筆して多くないまでもしっかりと存在している。それは転生したいまも変わらない。
かつてのようにそれを起動させると回路が正常に起動し魔力を生み始めたことを知らせるように体に鈍い痛みが走り始める。これは生成した魔力に人の肉体が反発している為である。
――肉体異常なし
――内臓系異常なし
――神経系異常なし
結果は健康そのもの。内蔵から血管の一本に渡るまで健全で何の問題も存在しない。筋力は低下していたもののそれは肉体年齢の退行の所為だとして捨て置く。これからいくらでも鍛えられる。
続いて、別方面の視点から体を解析する。
――魔術回路52本正常稼働中
――聖遺物とのリンク正常
――術式『活動位階』で現状維持に問題なし
――魔術刻印 異常なし
――リンカーコア 異常なし
――写輪眼 使用可能
こちらの結果も優良。魔術回路、礼装、刻印共に異常なし。そのことには心から安堵したようにため息を吐き出す。
魔術回路が正常なのも当然、助かるがそのあとの二つが正常なのもうれしかった。これなら、凄腕に代行者にでも囲まれない限りこの未成熟な体でも生き残ることができる。
だが、最後の2つ項目は真新しく見覚えがないものだった。
「リンカーコア・・・?どこかで聞いた気がするな」
しかし、思い出せる気がしない。だが、どこかのアニメで見た気がするが、随分前のようで欠片すら出てくる気配がない。
「やれやれ、こんなお粗末な記憶力だったかな……。まあ、それよりもだ」
リンカーコアの項のことは一旦、頭から切り離すと次の最期の項目『写輪眼』には聞き覚えがある。
「――過剰にも程があるぞ」
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