第六十六話 死闘!キリマンジャロ
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第六十六話 死闘!キリマンジャロ
ロンド=ベルがキリマンジャロに向かっている丁度その頃戦場とはまた違った場所で動きがあった。
「そうか、マーグが地球に到着したか」
若い男の声が玄室に響いていた。
「はっ」
「では私の出る必要はないな」
「それではここに留まられるのですね」
「そうだ」
低く、それでいて澄んだ声で返事が帰ってきた。
「それに今はここにあの者達が来ようとしているしな」
「あの者達ですか」
「まだ地球人はいい」
彼は言った。
「彼等は我等と同じだ。意志がある」
「はい」
「だがあの者達は違う。意志なぞない。あるのはただ本能だけだ」
「そうした意味で地球人やザンスカールよりも厄介ですな」
「そうだ。だからこそ気をつけねばならない」
声が強いものになった。
「サルデスやヒラデルヒアはどうしているか」
「こちらに戻って来ておられるようです」
「そうか。ならばよいがな」
それを聞いてとりあえずは安心したようであった。
「だが油断をしてはならんぞ」
「はい」
「ズフィルードといえど敗れているのだ。何度とな」
「彼等にも」
「近頃辺境方面軍の失踪が相次いでいる」
男はそれに対する様にこう言った。
「これが何を意味するか。わからぬわけでもない」
「確かに」
「宇宙怪獣の力は日増しに強くなっている。まるで我々を喰らい尽くさんとするかのように」
「我々を」
「そうだ。我々の敵は一つではない。まずはこれを忘れるな」
「はい」
「全ては霊帝の為。それを忘れた者は」
声が引き締まる。
「この帝国を滅ぼすことになる。よいな」
「ハッ」
男はそう言うとその場を後にした。地球とは遥かに離れた場所においても戦いは行われていたのであった。
そしてこれは地球においても同じであった。ドレイク達もまた暗闘を繰り広げていたのであった。
「そうか、ジェリル=クチビがか」
ドレイクは部下からの報告を聞いて一言呟いた。
「はい。一人でギリシアと呼ばれる国を掌握しました」
「それは何よりだ。見たところギリシアは戦略の要地」
「はい」
「そこを抑えることは実に大きい。我等にとってな」
「そうですね。今我々は欧州にいますが」
「うむ」
「この地域においてあの場所の戦略的意義は極めて大きいようです」
「ティターンズはそれを知っているようだな」
「おそらくは。彼等は地上人の中でもとりわけ地上に対する執着が強いようですから」
「それはどうかな」
「といいますと」
「私の見たところティターンズは然程地上に対する執着はない」
「そうでしょうか」
「それよりも彼等は宇宙を見ているのではないのか。彼等の正体は地上人ではない」
「といますと」
「
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