第六十六話 死闘!キリマンジャロ
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先の大戦のことは覚えておろう」
「無論」
その部下は答えた。
「あの時はジオンが強い勢力を持っておりました」
「そう、そのジオンだ。ティターンズはそのジオンと同じ様な存在ではないかと私は見ている」
「まさか」
これには多くの部下達を異議を呈した。
「ティターンズは連邦政府の中にある軍とされています」
「うむ」
「その彼等が。どうしてジオンと同質なのでしょうか」
「異端者は何処にでもいる」
ドレイクはそんな彼等に対して語った。
「連邦政府然り、だ。現にバイストンウェルでは我等も最初はそうだったではないか」
「確かに」
部下達もそれには頷いた。
「その異端を異端とせぬようにするのもまた政治というものなのだ。そして我等はそれに一度は成功した」
「はい」
「それと同じことだ。ティターンズもそうした意味では政治を行っている」
「政治を」
「あのジャミトフ=ハイマンという男は少なくともそうだ」
「ジャミトフ大将ですか」
「あの野心に燃えた目、似ておるわ」
不敵な笑みを浮かべた。
「私にもな。そしてあの二人にも」
「あの二人ですか」
「左様」
これが誰と誰を指すのか、言わずもがなであった。手を組んでいるからといってそれが固い絆とは限らないのである。むしろその裏で激しい駆け引きを繰り返している場合すらあるのだ。
「今あの二人はどうしているか」
「取り立てて動きはありません」
部下の一人がそれに関して報告をした。
「どうやらバルカン半島にも気付いてはいない模様です」
「所詮はその程度か」
「ですがスプリガンはジブラルタルに向かっている様です」
「ジブラルタルに」
「はい。そこを防衛しているティターンズの部隊と何やら接触しようとしている模様ですが」
「まずいな」
ドレイクはそれを聞いてこう呟いた。
「あの場所にあの男を向かわせるわけにはいかぬ」
「では手を打ちますか」
「無論。すぐにバスク=オム大佐に連絡をとれ」
「はい」
「ジブラルタルはティターンズに全てを任せたいとな。それでよい」
「わかりました。それでは」
「至急に頼むぞ。よいな」
「ハッ」
こうしてドレイクからバスクにすぐに連絡がとられた。この時バスクはロンドンにいたがそれを聞いてあからさまに嫌な顔をした。
「フン、異邦人めが」
「どう為されました」
そんな彼に腹心であるジャマイカンが声をかけてきた。
「気付かれたわ。ジブラルタルを我等に全て任せたいとのことだ」
「ドレイク殿からですか」
「そうだ。どうやら我々がショット=ウェポンと奴を対立させようとしているのを察したらしい」
「速いですな、気付くのが」
「流石と言うべきかな。伊達に軍を率いているわけではない」
「そしてどうされますか」
「シ
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