第六十四話 キリマンジャロ航空戦
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「我々以上に彼等がな」
「シャッフル同盟ですか」
「そうだ。ここで一皮剥けて欲しいが」
「それは彼等の頑張り次第ですね」
「できると思うか」
「思う、ってのはうちにはない言葉じゃなかったでしたっけ」
「そうか。そうだったな」
ブライトはそう言われ笑って返した。
「不可能を可能にする、それがロンド=ベルだったな」
「そういうことです」
「だからドモンも、か」
「とりあえずはキリマンジャロまで行きましょう」
サエグサも言った。
「それからですね。全ては」
「わかった。それでは向かうとするか」
「了解。進路はキリマンジャロのままで」
「ああ、頼む」
戦いを終えマシンを収納してキリマンジャロに向かう。彼等もまた戦いに赴こうとしていたのであった。
ドモンは大空魔竜の中に入った。だがそこでも彼は闘争心を抑え切れないでいた。
「クソッ!」
憎しみの目でマスターアジアが消えた方を見る。だがそれでもどうにもならないことは明らかであった。
「ドモン」
そんな彼にレインが声をかけてきた。
「レイン」
「気持ちはわかるけれど今は」
「一人にしておいてくれないか」
だがドモンはそれを拒もうとした。
「今は」
「そう・・・・・・」
そう言われてはもう返す言葉はなかった。レインは仕方なくそこから立ち去ることにした。こうしてドモンは一人になった。
彼は夕暮れの空を見ていた。まるで炎の様に赤い空を。
そこで何かを見ていた。それが何かは彼だけがわかっていることであった。しかしその先に何があるのか、そこまではわかってはいなかった。
第六十四話 完
2006・1・1
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