ALO編
七十二話 焦燥の衝動
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自分に怒っていたのだ。
「それでも……早く……すぐにでも行かなきゃいけないんだ……呼んでるんだ……こんな所で、唯考えるだけで止まってなんかいたら、発狂しちまいそうなんだよ!!」
「だからだな、キリト……落ち着「落ち着けるかよ!!」……」
更に割り込むキリト。最早普段の不敵な冷静さは、どこにも見えない。
「兄貴はどうなんだよ!あそこにサチの手がかりが有るかもしれない!なら早く、一刻も早く行きたいって思わないのか!?アスナだけじゃない!サチだって……サチだってあそこに居るかもしれないんだ!助け求めるかもしれない!!そんな状況で、なんでそんな冷静で居られるんだ!?」
その瞬間、辺りの空間が、爆発した。
「居られるわけ……ねぇだろうがぁ!!!」
「っ……!?」
「……あ……」
今度はキリトが絶句する番だった。リョウも、自分が無意識のうちに怒鳴ったらしく驚いたように目を見開いている。しばらく静寂が続き……やがてキリトが口を開いた。
「……ごめん…………」
「あぁ、そのなんだ……すまん、気にすんな」
互いに、頭を掻いてやりずらそうにする……そんな中、その声が妙に通って聞こえた。
「アスナ……?」
「ん……?」
リーファだった。何故か、驚愕したように目を見開いている。
「アスナって……キリト君……?」
「あ、あぁ……アスナ。俺の探してる人の名前だよ」
「え……?だって……嘘……その人は……」
そうしてしばらく、意味のない単語だけを呟き続けたリーファは、唐突に……本当に唐突に、その言葉を口にした。
「お兄ちゃん……なの?」
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