ALO編
七十二話 焦燥の衝動
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ドウを出した。
「リョウ!?何するの!?」
「こうするんだよ!」
そうして、そのうち一つの装備品を急いで装備欄に移動させる。現れたのはリョウがこの世界で初めに購入した武器……斬馬刀であった。瞬間、大声が上がる。
「yeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeha!!!!!!」
「っ!?」
ボンっ!という音と共に飛び出したリョウが右手の冷裂を振り下ろした瞬間、正面の守護騎士とその後ろにいた守護騎士が真っ二つになり、爆散した。そこから更に奴らの懐に飛び込み、左右の冷裂と斬馬刀を思い切り振りまわす。
「歩っ!破ァ!っと……勢ッ!!」
一度の回転で、三人五人は当たり前。時には七人ほどの守護騎士をまとめて消し飛ばし、リョウは一気に突き進む。とは言え、左右の武器の動きを完全に制御しなければならない為、はっきり言えばギリギリの戦い方だ。守護騎士を斬り倒し、光の矢を叩き落として、しかし落としきれなかった矢が左右の肩に刺さるのを感じつつ、ようやくキリトのリメントライトの前に辿りつき、リーファに回収させるとそくざに撤退開始、ようやく外に出た時には、すっかりリョウはくたくたになっていた。
────
「りょ、リョウ……大丈夫?」
「二度と……やりたくねぇ……」
扉の前で大の字に倒れこんだリョウに、聞いたリーファは、だよね……と一言言った後、ちょいちょい。と手を振るリョウに従ってキリトのリメントライトに蘇生アイテムだろう透明なしずくをかけた。
たちまち小さな炎は人の形を取り、そこに一人の少年が屹立する。
「キリト君……」
どこか哀愁の漂う表情でキリトの名前を呼んだりーふぁに、キリトは小さく笑うと、立ち上がって言った。
「ありがとう、リーファ……でも、あんな無茶はもうしないでくれ。俺は……大丈夫だから……」
「嘘つくんじゃねぇぞキリト」
「え……」
キリトの声を、リョウは虚空を見つめながら遮った。くるりとキリトの方を向き、真剣な表情で言う。
「あの湧出《ポップ》のペースはお前も見たろうが。ありゃ突破させる気が有るか怪しいぜ……なんか対策してねぇと」
「そんな……そんな暇は……」
動揺した様子のキリトに、リョウは続ける
「単純に突っ込んでも無茶だありゃあ……ちょいと休んで、どう攻めるかしっかり考えねぇとだな……」
「……んで……」
「あン?」
キリトの小さな言葉が、リョウには良く聞こえず、聞き返す。
再び帰って来た言葉は……怒りを含んだ怒鳴り声だった。
「なんで……そんなのんびり出来るんだよ……兄貴、あの向こうに……居るんだぞ……!?」
「んなことは分かってる。けどな、唯正面から……「それでも!!」む……」
リョウの言葉が止まる。彼は今、少なからず驚いていた。珍しくキリトが……
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