ALO編
七十二話 焦燥の衝動
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頼みが有るんだが……」
────
「遅いぞ!兄貴!」
「悪い悪い。ってもう選択肢出してんのかよ……」
リョウの言葉に答える事も無く、キリトはその選択肢のYESを押した。
──さすればそなたが背の双翼の、天翔に足る事を示すがよい──
その声と共に、眼前の白い扉が轟音を立てて開く。それはさながら、アインクラッドのボス部屋の大扉のようで当時の緊張感がうっすらと蘇る。
内部に入ると、そこはドーム状の大広間だった。天井の頂点部分に荘厳なデザインの円形大扉が見える。
「ユイ、頭、ちゃんと引っ込めてろよ?」
「パパ……叔父さん、頑張って……」
「おうっ」
ユイの声に景気良くリョウが答え、上を見上げる。
「うっし……やるか……」
「あぁ……行けぇッ!!」
「ちょ!?」
大声と共に、行き成りキリトが上に向かって一気に飛び出した。初めの内は牽制から行くと思っていたリョウは、突然の動きに一瞬思考が停止する。
しかし天井を埋める白いステンドグラスから白い液体がこぼれおち、それがたちまち大剣を持った守護騎士に姿を変えるのを見て、思考回路を復帰させた。
自信も翅を広げ、飛び出す。既にキリトは、守護騎士の真っただ中だ。
「確かにやるかとは言ったけれども!?」
「オオオオオオオオオッ!!」
凄まじい吠え声を上げながら進むキリトの後ろから、リョウも守護騎士と交戦する。とりあえず思い切り冷裂を振り切る……と。
『弱っ!!?』
その一閃だけで、三匹の守護騎士が一気に爆散した。
グランドクエストの守護騎士だと言う割には、余り一匹一匹は強く無いようだった。しかし、その理由は……すぐに知れた。天頂を振り仰いで、驚愕した。
「オイオイ……こりゃ何の冗談だ?」
既にキリトはだいぶ扉に近づいているようだったが、その姿が確認できなかった。彼の周囲を……百匹近い数の守護騎士が取り囲んでいたからだ。そう。多すぎるのである。時折見える爆散するポリゴンだけが、彼の存在を示している。
「くそっ、突破出来ねぇって……肉壁かよ!?」
悪態をつきながら、リョウはキリトの援護をすべく、前方の守護騎士たちに切りかかる。一気に五体が吹き飛んだが、直ぐにその穴を埋めようと騎士たちが集まる。そうして終わりの見えない戦いを続けた結果……ついにキリトが、扉の寸前で爆散した。
『っち……こりゃ突破は単騎じゃ無理だ……とりあえず……』
「リーーーファァァァァ!!」
「ッ……!」
大声を上げた瞬間、リーファが内部に飛び込んできた。先程、読んだらならば援護に来るように頼んでいたのだ。
「キリトの回収頼む!道は作る!」
「う、うんっ!」
此方に向かって来る守護騎士たちから目を離さず、リーファにそう言うと……リョウは突然、アイテムウィン
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