ALO編
七十二話 焦燥の衝動
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「っづ……牙ァァァァッ!!」
それにすら逆らい、そのまま思い切り……刃を振り切った。
「えぇっ!?」
「うおっ!?」
凄まじい衝撃波が周囲に波動となって伝わり、周りを圧する。が……しかしそれでも、虹色の障壁はその表面を一閃大きく波立たせるにとどまった。
「ぬ……さすがに無理か……」
「いや……十分凄いんだけど……」
「あぁ……って、ん?」
驚く二人だったが、不意にキリトが、空を見つめて何かを見つめた。どうやら、反応がかえってきたようだ。
長い時間をかけ、キリトの手に落ちてきた銀色の光は……小さなカードだった。
「カード……?」
ぽつりと、リーファが呟く。装飾などは何にもないが……
「どう見てもこの世界にふさわしいデザインじゃねぇな……」
「うん。こんなアイテム私も見た事無い……」
クリックしても、アイテムならば必ず出るはずのポップアップウィンドウが表示されない。その時、ユイがカードの端っこに触れながら言った。
「これは……システム管理用のアクセスコードです!」
「!?……」
キリトとリーファが驚いたように息を詰める。リョウも、小さく口笛を吹いた。
「そりゃまた随分なもん落としてきやがったな彼奴……これ、GM権限使えるのか?」
「いえ、権限行使には対応するコンソールが必要みたいです私にもシステムメニューは呼び出せませんし……」
「そうか……けど、これではっきりした。此処に、居るんだ……!」
キリトが拳を握りしめ、自分に確認するように言う。リョウはそれを、腕を組みながら見つめやがて……リーファに向き直ったキリトが、口を開いた。
「リーファ、教えてくれ、世界樹の中に通じてるって言うゲートは、どこにあるんだ?」
「え、世界樹の根元にあるドームの中だけど……で、でも無理だよ。あそこはガーディアンに守られてて、今までどんな大部隊も突破できなかったんだよ!?」
「それでも、行かなきゃいけないんだ……」
リーファの必死の説得でも、キリトが止まる事はないであろう事は、リョウにも分かっていた。だからこそ、何も言わない。
「リーファ、今まで本当に、ありがとう。此処からは俺達だけで行くよ」
「キリト君……」
手を取って礼を良い、振り向いたキリトに、リーファは泣きそうな顔で見るがそれを振り切って、キリトはリーファから手を離し、頭を下げる。そうしてそのまま身をひるがえすと、下に向かって一直線に降下して行った。
「リョウも……行くの?」
「あぁ……まぁな。今まで誰も出来なかった事は、俺達が出来ねぇ根拠にはならねぇし、それに……俺も俺なりに、あそこにゃ用事があるからな……」
「私……」
俯き、気落ちした様子のリーファの肩を、リョウはトンッと一度叩いた。
「……なぁ、リーファ……
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