第六十三話 謎の少女
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第六十三話 謎の少女
ダカール東方におけるロンド=ベルとネオ=ジオン、火星の後継者達の戦いが続く中ダカール南方に新たな影が近付こうとしていた。
潜水艦が数隻ダカールに向かっていた。それはかってジオンで使用されていた潜水艦ユーコンであった。
「敵はいるか」
一人の巨漢が部下に対して問うた。一年戦争の生き残りであるフラナガン=ブーンである。一年戦争の後乗艦と共に身を隠していたがネオ=ジオンの地球降下を受けそれに賛同してこの作戦に参加したのであった。
「今のところありません」
「そうか」
ブーンはそれを聞いて頷いた。
「だが油断するな。敵は何時来るかわからない」
「はい」
「モビルスーツの発進準備にかっかれ。グラブロもだ」
「グラブロもですか」
「そうだ、用心に越したことはない」
彼は言った。
「敵にはあの連邦の白い流星がいたな」
「アムロ=レイですか」
「あの坊やとは一年戦争の頃にやり合ったことがある」
彼は口の端だけで笑いながらこう述べた。
「手強かったぞ。部下を何人も失った」
「はあ」
「俺自身も危うく死ぬところだった。あの坊やがいるとなると用心した方がいい」
「ここに来ないとしてもですね」
「その時はその時で手強いのが来るだろうからな」
彼はまた言った。
「どちらにしろ総力を挙げてダカールに上がるぞ。いいな」
「了解」
潜水艦部隊は一路ダカールに向かっていた。その時ダカールは最早恐慌状態にあった。
「南へ兵を回せないのか!」
「駄目だ、北も西もとてもそんな余裕は!」
マシュマーとグレミーの部隊の攻撃は激しかった。連邦軍はそれへの対処だけで手が一杯であったのだ。ミスマル司令もそこに釘付けとなっていた。
「むうう」
彼は南からジオンの残党の潜水艦部隊が接近しているのは聞いていてもそれに対処することができないでいた。兵がとても回らないのだ。
「キングビアルだけでも行かせられれば」
「あれがなくては西の守りが成り立ちません」
幕僚の一人がそれに対して言った。見れば顔に苦渋が浮かんでいる。
「如何ともし難いか」
「はい。西はほぼ神ファミリーだけで頑張ってくれています。その彼等を動かすということは」
「わかった。ではいい」
それでは仕方がなかった。ミスマルも納得するしかなかった。
「ロンド=ベルはどうしているか」
「依然東に展開する敵主力部隊と交戦中です」
「そうか」
「一部足の速い部隊を急遽南に振り向けてくれたそうですが。彼等に一途の望みをかけますか」
「そうするしかないな。また彼等に期待しよう」
「わかりました。それでは」
「待って下さい、司令」
だがここで別の幕僚が彼に言って来た。
「どうした」
「ジャブ
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