第六十三話 謎の少女
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聞いて納得した様に頷いた。
「何か騒がしいところだな」
「まあ今戦争やってるからね」
ケン太がこれに答えた。
「仕方ないと言えば仕方ないよ」
「戦争」
「うん」
「今ダカールにネオ=ジオンが攻めて来ているんだ。君も知っているだろう?」
「勿論じゃ」
少女はそれに答えた。
「私の兵士達じゃからな。あの者達のことは心から信頼しておる」
「あの者達って」
リィナがそれを聞いて不審に思った。
「貴女、彼等のこと知ってるの?」
「知ってるも何も私の兵だ」
少女はまたこう言った。
「私の兵のことを知らない筈はないだろう」
「何か君さっきから変なことばかり言っているけど」
ケン太もいい加減訳がわからなくなってきていた。
「一体何なのさ。そもそも君は誰なんだよ」
「ミネバ=ザビ」
彼女は名乗った。
「ジオン公国の公王であるぞ。それが何か」
「ミネバ=ザビって」
リィナはそれを聞いてまずは我が耳を疑った。
「冗談でしょ。そんな訳が」
「これが何よりの証拠じゃ」
ミネバと名乗るその少女はそれに答えるかの様に自分が着ている軍服と胸の模様を見せた。
「これこそが私がジオンの公王である証。これでわかったであろう」
「嘘・・・・・・」
「まさかこんなところに」
「ところでそなた達に聞きたい」
ミネバはリィナやケン太達に問うてきた。
「ダカールの議会とやらがある場所は何処じゃ」
「何処じゃって」
「そんなこと僕達が知ってるわけないも」
クマゾーもそう答えた。
「何だ、知らぬのか」
「知ってたらこんなところにいないし」
「困ったのう。御付の者とはぐれてしまったし。ハマーンも側におらぬし」
「ハマーン。まさか」
「ハマーンを知らぬのか?」
「いえ、勿論知ってるけど」
リィナは戸惑いながら答えた。
「ハマーンは良い者じゃ。私のことをいつも心配してくれる」
「あのハマーンが」
「私が風邪をひいた時も側にいてくれるしな。何かと苦労をかけておる」
「嘘」
確かに聞いただけでは信じられぬことであった。リィナ達にとってもハマーンとは強敵であり苛烈で冷徹な女指導者であったのだ。その彼女がそうした一面があるということはにわかには信じられぬことであった。
「私にはもう両親はおらぬがハマーンがいてくれる」
ミネバは嬉しそうに言った。
「それだけで充分じゃ。本当は何かと大変であるのにそんな顔一つ見せずにな。大儀なことじゃ」
そしてまだ幼少ながらそれがわかるミネバも凄いと言えた。やはりザビ家の血であろうか。聡明であると言えた。
「じゃが側にいて欲しいのじゃ。オウギュストには申し訳ないが今はちと寂しい」
「オウギュストって」
「今の御付の者じゃ。さっきまでいたのじゃが」
「オウギ
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