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SAO─戦士達の物語
ALO編
七十一話 Negotiation
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「また遠ざかってく……」
「あぁ。こりゃどうにも……」
トンキーとの移動中に出会った他の徘徊型邪神が遠ざかって行くのを、リョウとリーファは目を細めながら見つめていた。
トンキーに乗り、ヨツンヘイムを横断している間、このように何度も他の邪神と遭遇しているのだが、どういう訳かまるで襲ってくる気配が無いのだ。あの人が他の邪神はトンキーを襲っていたのだから、邪神同士で争う事が有るのは確かだと思うのだが……出会った邪神が全て人型では無い事に関係あるのかとも思える。そうすると、邪神は人型と動物型で戦争をしている事になるが……まぁ対して問題が有るわけでもないため、リョウもリーファも何も言わない。と、リーファが意見を求めようとしたのか、キリトの方を向いて……

「ねーるーなー!」
「むにゃ……」
「……やれやれ」
キリトはまたしてもコテン、コテン。と船をこいでいた。リョウが咥えた煙草から呆れたように煙を吐き、リーファが怒り顔で拳を振り上げ……と、そこで何かを思いついたように手を止める。それはリョウも良く見知った、というか彼がよくする、悪戯を思いついた瞳だ。
すぐにリーファは、トンキーの背中に積もった雪をかき集め、それがオブジェクトとして消えないうちに。

「えいっ」
「ふぎゅあ!!?」
キリトの背中。服の中にぶち込んだ。冷感に背中を刺激されたらしいキリトが、妙な悲鳴と共に跳ね上がった。

それからしばらくの間、キリトとリーファは邪神についての考察を話し合っていたが、結局のところリョウと同じく、人型邪神とそうでない邪神とでは、対立しているのでは無いか、と言う所まで考察したところで、考えは止まったようだった。

トンキーの上に腕を枕にして寝転がったキリトを一瞥して、リョウは再び煙を吐きながらトンキーの進行方向に向き直る。時刻は既に、午前三時ごろだ。

「ネトゲで徹夜ってのも、久々だな」
別段徹夜したかった訳でもないのだが、そんな不思議な感慨を持ちつつトンキーが小高い丘を登っていくのにのんびり揺られる。と、その丘を登り切った所で、ついにトンキーが全身を止めた。そこにあったのは……巨大な穴だった。
大地に巨大な空洞が空き、その奥には唯、暗闇しか見えない。

「うわぁ……」
「こりゃまた……」
リョウとリーファが同時に感嘆の声を上げた。隣で覗き込んだのキリトも呟く。

「落ちたら、どうなんのかな……?」
キリトの小さな言葉に、ユイが大真面目に答えた。

「私のアクセスできるマップデータには、底部構造は定義されてません」
「つまり……ユイ坊に分かる限り底なしってことか……落ちねぇにこしたことねぇな」
と、突然トンキーがガクン!と動いた。一瞬この穴に頬理こまれるのではあるまいかとヒヤッとしたがそんなことはなく。彼は自らの足を
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