ALO編
七十一話 Negotiation
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を見上げた……その時だった。ビシリ!と、トンキーの背中に、巨大な亀裂が走る。
「は?」
「え……」
「な……」
そうしてその亀裂がたちまち、大きく、深くなっていき……
リコーダーとフルートの音を何万倍にも増幅したようなトンキーの大音量の鳴き声と共に、その背中から、凄まじい純白の光があふれた。
内部から巨大な八枚の羽根が螺旋状に屹立して現れ……ふわりとほどけた。
「「はあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」」
「と、トンキー……」
男二人の絶叫と、リーファの茫然としたような声が重なる。堅い殻を破って再び現れたトンキーは、最早象水母ですらなかった。巨大な八枚の羽根が生え、触手は植物のつるのような物に変化している。唯一以前の面影を残すのは、その象っぽい顔だけだ。
「おいおい……」
リョウが呟き切るよりも早く、再び伸びたトンキーの腕(?)が、リーファ達をむんずと掴み……
「おわっ!?」
「きゃぅ!」
「おうっ!?」
自分の上に、ぽいっと放り投げた。
三人とも、尻からドスン。と着地する。いやまぁ地では無いのだが……そのままトンキーは三人を乗せ、翅をはばたかせて、上昇を始めた。初めに口を開いたのは、リョウだった。
「こりゃまぁ……すげぇ奴買っちまったなぁ……」
「あはは……全財産出した甲斐があったね」
「あぁ?……あー、あれ嘘」
「えっ!?」
「兄貴って、確か……」
リョウのさらっと言った言葉に、リーファは驚愕し、キリトはどこか悟ったような顔でリョウノ事を眺める。
「ま、あんなんじゃ全財産の半分もいかねぇよ。ちなみに小銭は端数だっただけ」
「な……な……」
「なによそれぇぇぇぇぇぇ!!?」と言う声と共に、トンキーはぐんぐんと上昇して言った。
────
「なぁ、あれ、何だ?」
リョウ達の前には、先程寄りも遥かに高い位置から見た、残酷な氷の世界が広がっていた。遠く、氷の大地と、そこいらを歩きまわる邪神たちだけが見えるその世界をリーファが歓声を上げるながら見つめるその隣で、リョウが指を伸ばしてみた先にあったのは、地下世界中央の巨大な氷柱の先っぽ……純白にキラキラと光る、何かが有る位置だ。
即座に、リーファがスペルを詠唱し、遠見氷晶《アイススコープ》の魔法を発動させ、それが望遠された瞬間……
「うばぁっ!?」
まったくもって少女らしからぬ大声を上げてのけぞった。とたんに、キリトとリョウが反応する。
「ど、どうしたんだ!?」
「なんだよ!何が見えた!?」
リーファはいまだ衝撃が抜けきらないらしく、口をパクパクさせながら言う。
「せ、《聖剣エクスキャリバー》だよ……あれ。前に写真で見た……今まで所在一切不明だったのに……」
「エクスキャリバーって、この世界最強の剣じゃ
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