ALO編
七十一話 Negotiation
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で来てだらだら遊んでるわけじゃないんだ。……さっき大きめの邪神に壊滅《ワイプ》させられかけてね。苦労してリメントライト集めて、やっとの思いで部隊を立て直した所なんだよ。だから狩れそうな獲物はきっちり狩っておきたい。てわけで……一応聞きたいんだけど、其処の彼はどうなの?まさかあんたまで、そんなぶっ飛んだこと言わないよな?」
「まさか」
スカウトの男の問いにそう返して、リョウは肩をすくめる。
「俺は其処のアホどもほど常識はずれじゃねぇよ。つーか寧ろ謝らせてくれ。すまねぇなウチの連れの妙な戯れ言に付き合ってもらって」
あっけらかんとした調子で言ったリョウを、リーファは少し悲しそうな目で見たが、リョウはサラリと無視した。
「いや、構わない。こんな所で混成種族パーティーが三人だけ。何か遭ったのは分かるし、もしかして、そっちの二人は初心者かい?」
「あー、いや。そんなはずはねぇんだがなぁ……どうにも何か間違えたらしいな……」
「ははは……大変だなあんたも。それじゃ、悪いんだけど其処の二人を、その場所空けてくれるように説得してくれないかい?」
「あーそれなんだけどよ。お兄さん、ちょっち交渉に乗る気はねぇかい?」
「何だって?」
リョウの口から出た“交渉”と言う言葉に、ウンディーネの男が眉をひそめる。リーファ達もまた、リョウの言わんとするところが分からずにいた。それら全ての視線を無視して、リョウは自分のウィンドウを展開し、其処から茶色い袋を一つ取り出した。その中身を、ウンディーネ達に向かって見せた……途端に、ウンディーネ達の顔色が変わる。
「な……ぁ!?」
袋の中には、蒼く輝く大きなコインが入っていた。紛れもなく、キリトがシルフとケットシーの領主に渡していたのと同じ物。十万ユルドミスリル貨だ。
「此処に五十万ちょい有る。俺の全財産だ。これであんたらがコイツ倒して得る筈の金、アイテム、経験値。買わせちゃくれまいか?」
「おいおい兄貴……」
「り、リョウ!?」
「あんた……何を……」
キリト、リーファ、ウンディーネの戸惑う声を無視して、リョウは続ける。
「何も?まんまの意味だよ。あぁちなみに其処の君、妙な気は起こすなよ?もしお前等の内誰か一人でも剣抜くとかスペル唱えるとかの真似したら、俺はこれ吹くからな?」
そう言ってリョウが取り出したのは、蒼く美しい縦笛だった。リョウはその効果を懇切丁寧に説明した後、こう付け加える。
「ALOじゃ死体《リメントライト》にも憎悪値《ヘイト》しばらく残るからな。その時間約五分ちょい。邪神さん達がアンタらに挨拶しに来るにゃ充分な時間だ。さて、どうする?此処でタダで俺の財産受け取るか……もしくは邪神一匹と名誉値分欲張ってデスペナとレア装備ドロップの危険冒すか……悪い話じゃねぇだろ?」
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