ALO編
七十一話 Negotiation
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自分の体の下に丸めこみ、胴体を下降させ始めたではないか。
とりあえず、地面に降りても問題なさそうな高度に来たところで降り、リョウ達が振り向くと、丁度トンキーは長い鼻を自分の下に収納させ終えた所だった。少し離れ、振り向くと、そこにはデカイ饅頭が見える。
「……で?」
「こいつ結局、何がしたかったんだ……?」
と、リーファがトンキーの元へと近づいて行き、叩いたり呼びかけたり耳を当てたりした結果、何故か口をとがらせて毛の一本引っ張ろうとした。その時だった。
「おい、リーファ、兄貴、上見てみろよ。凄いぞ……」
「え……?」
「んん?」
上部を見上げると、そこは地下中央の巨大円錐氷柱の真下だった。よくよく見てみると、氷柱の中には何らかの構造が有るらしく、広間や通路らしきかがり火が見える。
「あれが、ダンジョンだってのかぁ……?」
「だとしたらALO最大の規模よ。どうやって行くんだろ……」
確かに、この地表からあの氷柱まで、ゆうに二百メートルは有る。到底ジャンプでは届かないし、地下飛行が有る程度可能なインプでも届きはしないだろう。
リョウが謎めいたダンジョンの入口に思いをはせ始めた、その時だった。
「パパ、東から他のプレイヤーが接近中です!一人……いえ、その後ろから、二十三人」
「おっ」
「……!!」
リョウが少し嬉しそうに声を上げ、リーファは逆に緊張した面持ちで大きく息を吸い込んだ。
「これで何とか脱出できそうだな……」
「り、リョウ!?でも、今近づいてるパーティって……」
「あン?あぁ……そうか……ってもなぁ、確実に脱出出来るチャンスだぞ?」
「そ、それはそうだけど……でも!」
「兄貴!リーファ!」
あっけらかんとした様子でそう言ったリョウにリーファが喰ってかかろうとした時、ぱしゃんと言う音と共に一人の男性プレイヤーが姿を現した。
「あんたら、その邪神狩るのか狩らないのか」
近付いてきたウンディーネの男が言った。魚鱗模様のレザーアーマーを着込み、方には小型の弓。斥候《スカウト》タイプの装備だ。おそらくは後方の本体のための偵察だと思われた。装備を見るに、なかなかのハイランクプレイヤーだろう。
すぐに答えない三人に、表情を険しくして続ける。
「狩るなら早く攻撃してくれ。狩らないなら離れてくれないか。此方の攻撃範囲に巻き込んでしまうから」
それを言うと同時に男の背後から多数の足音が近づいてきた。おそらくは本隊だろう彼らは、全員が同じウンディーネだった。
単一種族であると言うことは、おそらく彼らの目的は主には領地のための稼ぎ出しだ。こんな所まで来ている以上、甘さも一切あるまい。
『いや……』
そうでもないかもしれない。自分たちのような、たった三人の別種族がこんな所でウロウロしているの
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