第六十二話 ダカールの攻防
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ブライトもそう言われハッとした。
「だがあそこは海だ。まさかとは思うが」
「そのまさかです。ネオ=ジオンにはジオンの残党も協力しています」
「うむ」
「その中には潜水艦部隊もあります。ジオンの水中モビルスーツ部隊もです」
「彼等がか」
かってキシリアの配下として暴れ回った者達であった。クワトロもシャア=アズナブルであった頃ジオンの水陸両用モビルスーツであるズゴッグに乗っていたことがある。そしてそれで連邦軍の本拠地であるジャブローに大々的な強襲を仕掛けたこともある。
「彼等がネオ=ジオンと協力しているとなると。恐ろしいことになります」
「ううむ」
ブライトはそれを受けて考え込んだ。チラリと敵の動きを見る。
「確かにな」
彼もここで敵の動きがわかった。
「どうやら撤退に移るようだ。この戦いで撤退するとなると」
「撤退できる状況にある、ということですから」
「そうだな。ではダカールに対して第二の奇襲の可能性がある」
「はい」
「わかった。ではすぐに足の速い部隊を数機ダカールの港に向かわせよう。気付かれぬようにな」
「わかりました。それでは」
「うむ」
こうして数機ダカールの港に向けられた。だが主力は尚もこの戦場に釘付けとなってしまっていた。
「どうやら敵は我等の意図に気付いたようですな」
「その様だな」
ハマーンは今度はニー=ギーレンの言葉に頷いた。彼もまたグワダンに戻っていたのだ。
「どうされますか」
「だからといって行かせるわけにはいかん。攻撃を続けよ」
「ハッ」
「そしてここから動かせるな。奴等が行けば我等の作戦は失敗に終わる」
「はい」
「既にサイは投げられた。後は作戦を成功させるだけだ。そしてその為には」
「ここで彼等を引き留める」
「うむ」
こうしてネオ=ジオンは撤退を進めながらも攻撃に入っていった。戦いは更に熾烈なものとなっていた。
「クッ、しつこい!」
「また木星トカゲが来ました!」
メグミの声が響く。するとそれに呼応するかの様に木星トカゲ達が姿を現わす。そしてロンド=ベルの動きを妨げる。
「ネオ=ジオンのモビルスーツも反転してきました!」
「またか!」
「中にはそのまま突っ込んで来る者達もいます!」
「クッ!」
戦場に苦渋の声が聞こえた。それが誰のものであったのかはわからない。
だがそれがロンド=ベルの今の声であった。彼等は勝ちながらも焦りを感じていた。
「このままでは」
「ダカールが・・・・・・」
その焦りは逆にネオ=ジオンにとっては喜びであった。それこそが彼等の目的が達成されようとしていることの何よりの証であるからだ。
「もうすぐだな」
ハマーンはグワダンの艦橋で会心の笑みを浮かべていた。
「ジオンの大義が現実のものとなる時
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