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SAO─戦士達の物語
ALO編
七十話 地底氷河と邪神水母
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リョウには結局のところどうして二人が喧嘩になったのか分からなかったが、仲直りしたのなら、いちいち外野が口を出す必要もあるまい。

「じゃ、これで仲直りだね。私なら、何時になっても大丈夫。学校はもう自由登校だもん」
「そっか」
 言いながら手を差し出したリーファの言葉に小さく返すと、キリトは同じような仕草で手を出し、握手をした。リーファの方が照れ隠しなのか手をぶんぶん振っているのを、キリトの肩にいるユイと、脇に座っていたリョウがニコニコニヤニヤとみているのに気付いたころ、リーファはあわてたように手を離し。頬を染めたままプイッと顔を反らしそのまま少しの間何を言わずに座っていた。
しかし不意に、リーファの眼が真剣な物になる。

「どしたの?」
「なんだ?なんか変なもんでも見えたか?」
 キリトとリョウが立て続けに尋ねると、リーファはまっすぐに右手をのばして言った。

「あのね、さっき地上に出るルートを考えてた時、外周部の階段から上に上がろうって言ってたでしょ?でも……見て」
 そう言ってリーファが指を察す先には、ひときわ巨大な円錐状のつららに絡みつく網のようなものが有った。

「ありゃあ……根っこか?」
「うん。あたしも実際に見るのは初めてなんだけど、あれは世界樹の根っこなのよ」
「世界樹の……って事は、こいつは外周部じゃなくて、エリアの中心に向かっているってこと?」
 ヨツンヘイムは央都アルンの地下を中心位置にして地下円形に広がる世界なので、つまりはそう言う事になる。当然、リーファは素早く首を縦に振った。

「世界樹の根っこはすごく大きいからかなり下まで伸びてるけど、それでも絶対届かない高さにある。これでますます、出口は遠ざかったかも……」
「そうか……」
 キリトは小さく嘆息したが、少しすると、リョウがにやりと笑って言った。

「ま、此処まで来ちまった以上もう流れに身ぃ任せるしかねぇよ。この、ゾウムシだかダイオウグソクムシだかに任せようぜ。果たして、助けたクラゲに連れられて〜な事になんのか、こいつの宴会のつまみになんのかはわかんねえけどな」
「ちょと、何よそのダイオウなんちゃらって。たとえるなら象かクラゲじゃないの?」
「あ、おれ知ってる。あれだよなこんくらいのダンゴ虫みたいな……」
「そそそ。最大で五十センチ超えるって奴だ」
「ごじゅ……!?あああ!いい!その先聞きたくない!」
「えー、知りたくねぇのかよ。深海に住む生き物の神秘……」
 不満そうに、と言うか面白そうに口をとがらせるリョウに、リーファは手をぶんぶん振りながら慌てて話を逸らす。

「わかった!じゃあ、名前付けよ!かわいい奴!」
「名前、か……」
「ん〜」
 提案すると案外、リョウもキリトも真面目に考えだした。リーファもうなりなが
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