ALO編
七十話 地底氷河と邪神水母
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意に、前方のキリトがズザザッ!と雪煙りを巻き上げ、急停止した。そのまま腕を大きく広げ、突っ込んできたリーファを抱きとめる。リョウの方は少し止まるのが遅れたらしく、キリトの後ろにいる。そして後ろを振り向くと……
「──────ッ!!?」
目が飛び出そうなほど近くに、三面巨人の姿が有った。改めて見ると本当に大きいその姿に、リーファは声にならない悲鳴を上げる。キリトに一体何のつもりで此処まで逃げてきたのか激しく問いたかったが、そんな暇もない……と
ビシビシビシッ。と、軋むような、あるいは割れるような音がリーファの耳に届いた。なんだろうと思う間もなく、直後……
凄まじい音と水しぶきを上げながら、邪神の体がガクンと下がった。三面巨人の足元にあった湖に張った氷が、その巨体が持つ重さに耐えきれず割れたのだ。丁度湖の真ん中にあったその巨体が、キリト達のほんの十数メートル先で一気に水に沈みだす。
と、男二人がまるで打ち合わせて居たように、声を上げた。
「「やったか!!?」」
「ちょと、そう言う事言うと……!」
お約束のフリとなっている台詞に、本気で沈んでほしいと思っているリーファは思わず悲鳴を上げる……と、ザブンザブンと巨人の体が浮上し、その巨大な手をオールのようにして泳ぎ出したではないか!
「ありゃ」
「ほらぁ!余計な事言うからぁ!」
甲高い声で腕をぶんぶん振りまわして男二人に向かって喚くリーファを、リョウが片手で制する。
「待て待て、この後だこの後」
「え……」
リーファの出した疑問の声を、二つ目の巨大な水音が遮った。
見ると、先程三面巨人にずたずたにやられていた象水母が、巨人に続いて着水していた。そうして巨人の方に近づくと、ひゅるるる!と言う高い音の雄叫び(?)を上げながら細い脚を次々に巨人の体に巻き付けて行く。
「あ、そ、そっか……」
そう。あの象水母邪神は元々、水中戦を得意とするフォルムなのだ。というか水母なのだからよくよく考えれば当たり前なのだが……
三面巨人の方も剣を振りまわして対抗しようとするが、なまじ水の中なので上手く動けていない。そうしてそのまま水母の胴体に青白い光が纏われたかと思うと……
バヂバヂバヂバヂッ!!と言う電撃じみた音と共に、その光が標的である巨人へと叩きこまれた。同時に、巨人のHPが一気に減り始める。
と、リョウとキリトが思い切り息を吸い込み……
「やったか!!!?」
「だーかーらー!!」
何故わざわざフリを打つのか。と、まぁそんな心配は必要なく、そのまま三面巨人は大量のポリゴンと共に爆散した。
────
「……はぁ、それで?」
「これからどうすんの」
リョウとキリトが順番に呟いた。
目の前には、先程一応リーファの感覚では「助
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