ALO編
七十話 地底氷河と邪神水母
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方法も無いのに助けろとかアホか!お前はアホか!」
「アホアホ連呼しないでよアホぉ!!」
そもそもゲームなのだからモンスター同士の戦闘は予定されたものなのだろうし逃げるべきだとリョウは思っている。寧ろモンスターを助けようと言うその発想自体普通はあり得ないと思うのだが……と、その時だった。
「あ、あの〜」
「「んだよ!(なによ!)」」
横から小さくなりながら手を上げたキリトを、理不尽ながらリョウとキリトが同時に睨む。心なしか、ユイもビビっているように見える。と言うかビビってる。
「す、すみません……助ける方法あるかも……」
「はぁ!?」
「ホント!?」
キリトの超絶発言に、リョウは驚愕し、リーファは目をキラキラと輝かせる。と、リーファが顔をずんずんと近付けて聞く。
「どんなの!?」
「あー、説明するよりやった方が早いかも……とりあえず、此処から北に二百メートルの所に凍った湖が有るらしいから……二人とも、そこまで全力で走るぞ」
「え……え?」
「……しゃーねーか……」
リーファはいまいち分かっていない様子だったが、何の皮肉か反対派のリョウはすぐにキリトの言いたい事を理解してしまった。最早何か行動を起こさなければリーファは納得しなさそうだったし、そろそろ象水母の鳴き声が本気で弱弱しくなって来たため、リョウは一度額に手を当てると……
「やるなら早くしろ」
「あぁ。……セイッ!」
屈伸をしながらそう言った。即座に、キリトが懐から取りだしたピックを構え……邪神めがけて投げた。
「あ」
リーファの思わず出たと言った声と共に、キリトのピックが三面巨人の方に命中する。と、同時に……
「ぼぼぼるるるううう!」
「来るぞぉ……!」
三つの頭が同時に「ぼる」と言うせいでエンジン音のように立て続けに聞こえる巨人の雄叫びがゆっくりとこっちを向くとともに大きくなり……
「……逃げるぞ!」
「全力疾走っ!!」
男二人が同時に叫び、間髪いれずにリーファを置いて逃げ出したでは無いか!
「ちょっ……?」
付いていけていないリーファは一瞬口をパクパクとさせながら、直ぐに二人を追いかけて“頑張って”追いかけだす。直後……
「ボル……ボボボルルルアアアアアアアアアアァァ!!!」
──ズシン……ズシン……ズシン……ズシンズシンズシンズシンズシンズシンズンズンズンズンズンズンズンズン……!!!!
「待っ……や……いやああああああああああ!!!!」
すぐにそれは、“必死”の全力疾走へと変わった。
三面巨人が後ろから追いかけて来るのが、見なくても分かったのだ。しかもその距離はどんどん縮まっているらしく、重々しい足音はどんどん近くなっている。悲鳴を上げながら必死になって走っていると、不
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