ALO編
七十話 地底氷河と邪神水母
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ら、君達はその隙に離脱して……!」
「落ち着けって、ちょっと待て……!なんか変だろうが……!」
「変って……」
負けずに返したリョウの声に対して訪ねたリーファに、今度はキリトが返す。
「リーファ、ほら、聞こえないか?……一匹じゃない……」
言われてから、リーファはようやく耳を澄ました。確かに、重々しい低音の咆哮の向こうで、ひゅるるる……と言う木枯らしのような高い音が聞こえた。しかしそれに対し、リーファはより一層声に焦りを募らせる。
「それなら尚更よ……!どっちか一方にタゲられたらアウトってことよ……!?
「いえ、違います!リーファさん!」
さらに答えたのは、ユイだった。そのままつなげて言う。
「接近中の邪神級モンスター二体は、互いを攻撃しています!」
「えっ……!?」
そう言われて、リーファはようやく気が付いた。近くで鳴り響くドスンドスンと言う地響きが、一直線に此方に向かっていると言うより、転げまわるようにランダムな場所から響いて来ているのだ。
「モンスター同士で戦闘……?どう言う事……?」
「とにかく、一度様子を見に行ってみよう。此処じゃどうせシェルター代わりにもならないし……」
「だな。どうするかは見てから考えるとしようぜ。
「う、うん……」
そう言って、リョウ達は祠から出て言った。
────
祠から出て数歩ほど進んだところで、音の元凶である二体はすぐに見つかった。
「いや、改めて言うがよ……デカすぎだろ、これ」
雪原の上で、二体の巨大な図体がドカン、ドズンと大音量の重低音を出しながら戦闘を行っている。一体は、人型に近い形だ(と言っても辛うじてだが)縦に並んだ三つの顔に四本のやたら太い腕。それぞれの腕に、やはり滅茶苦茶に大きい剣を携え、それを軽々と振り回している。
もう片方は……最早なんと言うべきか分からない。
長い口吻と巨大な耳のような物がついた顔は象のようだが、それが付いている胴体は饅頭のような円形に鉤爪付きの触手が二十本以上も地面に向かって伸びている。強いて言うなら、象の顔が付いた水母と言うべきだろうか……長いので象水母としよう。
二体の体表は、どちらも邪神級モンスター特有の青っぽい灰色に染まっており、大きさとしては三面巨人の方が象水母より一回り大きい。
通常モンスター同士が戦う場合、その要因はプレイヤーが起こせるもので三つある。一つは猫妖精《ケットシー》辺りが、スキル、飼い慣らし(テイミング)によって手に入れたペットモンスターがMobと戦っている場合。一つは音楽妖精《プーカ》辺りが、ある種類の演奏効果によってモンスターを扇動している場合。最後の一つは幻属性の魔法によってモンスターが錯乱状態にさせられている場合だ。
しかし目の前のモンスターたちは、そ
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