ALO編
七十話 地底氷河と邪神水母
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ァの膝から飛び起きたキリトに対して、彼女がにっこりと笑う。
「おはよーキリト君」
「……お、おはよう……俺、寝ちゃったりしてました?」
「あたしの膝枕でね。小パンチ一発じゃホントは足りないくらいだけど……時間も時間だし、ま、勘弁してあげるわ」
「そりゃ失礼。なんならリーファも俺の膝枕とか……」
「要りません」
「……やれやれ」
ぷいっと顔を反らしたリーファと、苦笑したキリトを見ながら、リョウは小さく首を横に振る。そうしてもう一度煙を吹くと、また天井を眺めた。
現在時刻、午前二時。このタンジョンに落ちてしまい、モンスターに抜け殻になったアバターが襲われる可能性を考慮してログアウト出来ずに此処にこもって既に一時間経っていた……
────
そもそもなぜこんな状況になったかと言うと、まぁ当然、別に来たくて来た訳ではない。
つい一時間前の事、もう間もなくすれば深夜だし、アルンに入るのはまた明日にしようと言うことになった三人が前方に見えた小さな村へ立ち寄った時だった。
リョウ達が降り立ったその村には、NPCが一人もおらず、なんとなくいやな予感がしつつも宿くらいはあるだろうと思い、村で一番高い建物へと向かったのだが建物内にも誰もおらず……その時点でリョウは脱出を叫んだが、いかにも遅かった。
突然街中が少々グロテスクな肉壁で出来た物へと姿を変え、リョウ達三人が唖然としている間に間髪入れずに地面が左右に割れ、その向こうにあったヌルヌルした赤銅色の肉壁洞窟……恐らくは超巨大モンスターの腹へと吸い込まれてしまったのである。
つまりは、村丸ごとそのモンスターの擬態だったのだ。
で、リーファが最悪の死に方やら胃液に溶かされるなんて等と喚くのを聞きながら数分間の間消化器ツアーを体験し、突然放り出されて着地(リョウは足から。リーファとキリトは犬神家)した雪原が、このヨツンへイムだった訳である。
現在、リョウの傍らにある武器は、何があっても即座に対応出来るよう既に冷裂だ。まぁ……いくらリョウでも、冷裂を持ったからと言って邪神級モンスターを一人で相手に出来るとは思って居ないが……
所で、何故リョウの下にSAOでの彼の武器であった冷裂が舞い戻って居るのか、そろそろ説明しておこう。
仕組みは、ユイと全く同一だ。ユイは本来、SAO終了時まではコアプログラムをクリスタルにの形に変える事でアスナの所有アイテムとなっていた。もしもSAO終了時の完全デリートにそのアイテムが巻き込まれていた場合、そもそも所有権はアスナに残ったままだし、そもそも半削除されてあの意味不明な文字羅列の一員になり果てていた事だろう。
ならば何故そうならなかったかと言えば、リョウがユイをクリスタル化させて凍結させる際に、「ゲームクリアと同時にこのプログ
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