第一話
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そして―――――――。
「で、さっきから何だよあんた?」
さっきから後ろにいる尾行者へと声をかける。
気づいたのは本屋を出た辺りから。
妙に粘っこい視線を向けて来るので振り切ろうとしたのだが振り切れなかった。
この感じからして普段から突っかかってくるチンピラではなく本職の奴であるのは間違いない。
しかし、俺は恨みは結構買っているが、ここまでやばそうな連中との縁は・・・・あんまりないんだがな。
とりあえずあれこれ考えてもどうしようもないのと、相手はおそらく一人である事からこうして誰も寄り付かない場所へと誘導したのだ。
俺が声を上げてから少しして、路地から黒いスーツを着た男が出て来る。
黒髪に掘りの深い顔立ち。体格は中肉中背の一見すると何処にでもいるサラリーマン。
だが、俺には分かる、いや、分かってしまった。
こいつはやばい!
俺は前世も含めて今までかなりの修羅場を潜り抜けてきた。
それでも、これほどのプレッシャーは感じた事はそうはない。
単純な戦闘能力ならあの人たちより下だろうが強いのは間違いないな・・・・!
「・・・・あまり手荒な真似をしたくない。少年、大人しく私のいう事を聞いてくれないかな」
男は口を開いたと思ったら何やらふざけた事を言ってきた。
「もし、断ったら?」
出来る限り表情を崩さず軽い感じで聞き返す。
もちろん油断などしてはいない。
相手の一挙一動を見逃さず徹底的に観察し続ける。
「最悪、君を死体にして連れて行く」
・・・・死体ときたか。
出来れば冗談とかで済まして欲しいが、相手の目を見る限り本気らしい。
・・・・仕方がない。どうも腹をくくる必要がありそうだ。
命がけの戦いなどあまりしたくは無いのだが、そうも言ってられない状況だしな。
「あ〜そりゃ勘弁してもらいたいなぁ」
頭を掻きながら丁度左半身が相手の方を向くように方向転換する。
そして、
「――――――てなわけで寝てろ」
直後に轟音。
発生源はオレの左手、正確にはそこに握られた世界最強の自動拳銃デザートイーグルからだ。
不良をやっているうちに出来た人脈を頼って手に入れた代物の一つで、これは普段は先程の通路のコインロッカーの中に隠してあるのだが一応持ってきておいて正解だったか。
装填してあるのは非致死性のゴムスタン弾だが、この至近距離ではヘビー級ボクサーのパンチ並みの威力がある。
下手をすれば内臓破裂もあり得るそれを眉間、喉、鳩尾、股間と言った正中線上に四連射。
先制攻撃としては過激すぎるも
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