第一話
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君のせいじゃないよ。バカな夢を見たイッセーが悪い」
「そうよ。『不良になったらモテる』なんて幻想抱いて、結局彼女を作るどころかロクでもない噂が広まって敬遠されたのは自業自得よ」
おばさんたちが言っている事は正確には違う。
今から二年くらい前の話だ。
当時の俺たちはいわゆる不良として認知されていた。
喧嘩は日常茶飯事で無免許運転や深夜徘徊、はてまた明らかに堅気ではない人物との交流もあるいわゆる札付きとして。
だが、これには理由がある。
小学五年生の頃だ。近くの街にイッセーと遊びに出かけた際、俺たちは色々とヤバイことに巻き込まれて命を落としかけた事があったのだ。
ぶっちゃけた話、俺たちだけなら逃げる事も出来たのだがそういう事が出来なかった理由もあり、俺たちは拳を握りしめ戦う事を選んだ。
当然、勝てるわけがない。
幾ら前世の記憶があると言っても所詮十一歳のガキの体だ。
簡単にあしらわれて動けなくなるまでボコボコにされた。
正直、悔しくて悔しくてたまらなかった。
その教訓から、俺たちは中学に上がった頃から自分を鍛える意味で様々な事をするようになり、そういった面から不良として認知されるようになったのだ。
特にイッセーはおばさん達にモテるためだなんて嘘までついて。
・・・・まあ、半分くらいは本気だった気もするが。
ともかく、その甲斐あってというか、中一、中二の時に起きた事件ではそれなりに活躍する事が出来た。
ここまでは良い。
問題はこの後だ。
ある日、悪友の元浜と松田からもたらされた噂話が俺たちの行動方針を大きく変える切っ掛けになった。
その噂話とは、美少女を見たら襲いかかる野獣イッセー。カップルを見かければ男を半殺しにして女の子を連れ去り、人目につかない所で鬼畜三昧のエロプレイを強制し、『くっくっく、見ず知らずの、それも彼氏をボコった男の前で卑しい顔しやがってこのメス〇〇がッ!!』と罵っては乱行につぐ乱行をし、さらにはボコッた男の方もあとでおいしく頂く、というものだった。
それを聞いた時のイッセーの顔は忘れられない。
ついでにイッセーを見る女子の目も忘れられない。
あれはあきらかに汚物を見る目だった。
そして俺も俺でイッセーとそういう関係であるという噂が流れつつあり、急いで事態の究明を図った。
あらゆる伝手をを頼り、その噂を流したのは以前俺達にボコられた不良グループの奴らだと分かった時、俺とイッセーは連中相手に口に出すのも憚られるようなお仕置きを行い、その後、これ以上表だって不良として活動するのをやめる事にしたのだ。
・・・・と言っても、未だに喧嘩を吹っかけられることがあるが。
考えてみれば俺って前世から全然
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