ALO編
閑話 歪な狂気
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。と言うより、自分の役に立ってくれるはずのとある小鳥が、ちゃんと生きているかを自分の目で確認していただけだが。
そんな中、あのゲームがクリアされる前の十数日間。彼の監視する小鳥の基本位置が、変化した事が有った。
それまで50層以上の上層階にいたそれが、突然、22層を中心に、低層階に位置取り始めたのである。その小鳥の周囲に、何時も存在した幾つかの別のプレイヤーID……おそらくは友人か何かだと思われるそれは、三つ。二つは、この前いまだ眠り続ける小鳥の部屋を訪ねてきた勇者気取りの子供《ガキ》二人。そしてもう一人は……SachiというHNを持つ女性プレイヤー。
そしてそのプレイヤーIDは……
「クッ、クッ……クク……」
被検体152番と……
「アハハハハハハハ……!」
次にあの囚われの小鳥と会った時は、この話をしてやろうと、彼は考えていた。
一体あの優しいオヒメサマはどんな顔をするのだろう。絶望するだろうか?泣き崩れるだろうか?あるいは怒り狂うだろうか?もしそうなれば、その時点で実力を行使してやるのも良い。既に勇者気取りの話をして、あれの精神はボロボロの筈だ。
そうして、彼はやがて、その思考をある域にまで至らせる。
──いや、いっその事あれの目の前で152番の精神を……──
「ヒ、ヒヒ……ハハハハハハハハハハハ……!!」
雨の中を走る車内で、耳障りな笑い声が、運転手の耳へと響いていた。
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