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ヘタリア大帝国
TURN54 ハワイの酋長その二

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「また戻って来るあるよ」
「待っているあるよ」
 大使館に入る二人に言う。
「けれど今はある」
「お別れあるな」
「そうだね。けれどすぐにまた会えるよ」
 キャヌホークはあえて明るく二人に述べた。
「中国さん達ともね」
「戦局が好転したらあるな」
「その時に」
「まさかハワイで負けるとは思っていなかったけれど」
 これはキャヌホークにとっても想定していないことだった。まさにまさかの敗北だった。
 しかし敗北は事実だ。それならだった。
「挽回するよ。その時にね」
「また会うある」
「そうしようある」
 こう話してそのうえでだった。キャヌホークは中帝国を後にする。選曲は明らかに変わってきていた。
 そのハワイを占領した太平洋軍はハワイの治安回復に努めると共に次の作戦に移ろうとしていた。次の攻撃目標はというと。
「カナダ、そしてだ」
「ケベックとアラスカですね」
「この三つの星域を攻めよう」
 東郷は作戦会議の場で秋山達にこう述べた。
「カナダからな」
「USJからは攻められないのですね」
 日本妹が東郷に問うた。
「そうされないのですか」
「USJは今現在ガメリカ軍の主力が展開しているな」
「はい」
「しかも防衛施設が半端じゃない」
 ガメリカ本土の玄関口だ。それでそうなっているのだ。
「そこに正面から攻め入るよりな」
「まずは、ですか」
「カナダ方面を固め」
 そしてだった。
「ゲイツランドも占領してだ」
「それからですか」
「USJ攻略にかかろう」
「そしてUSJで、ですね」
 ここで日本も言う。
「第二の決戦ですね」
「そこでおおよその決着がつく」
 ガメリカとの戦いがだというのだ。
「だからカナダ方面を攻略してだ」
「戦力をさらに拡充させますか」
「そうするとしよう」
 こう言ってそのうえでだった。太平洋軍は次の戦略目標も決めたのだった。
 その彼等は遊びもした。ハワイの海は眩しい。
 宇垣は赤い褌姿でこう言うのだった。
「水練は欠かしてはならんぞ」
「あの、外相」
 日本がその宇垣に対して引きながら言う。
「前から思っていたのですが」
「むっ、祖国殿何か」
「長官は今も下着はそれですか」
「これは水着用ですぞ」
「それでも褌なのですか」
 その見事な赤褌を見ての言葉だ。
「トランクスではなく」
「日本男児ですから」
 それでだと豪語する調子で返す宇垣だった。
「この格好なのです」
「そうですか」
「祖国殿はもう褌ではないのか」
「下着も水着もトランクスです」
 それだというのだ。
「ですから。今褌というのは」
「快適ですぞ」
 宇垣は笑顔で言う。
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