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銀河英雄伝説〜その海賊は銀河を駆け抜ける
第十五話 海賊達の総会
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の総会が揉め事の調停機関だと認識している所為だろう。取り締まるよりも利用した方が治安に役立つと思っているのだ。しかしオーディンで総会を開くか。ワーグナーも気合が入ってるよな。そろそろホテル・ヴォルフスシャンツェだ。何事もなく終わって欲しいもんだ。



帝国暦 489年 3月31日   オーディン  カルステン・キア



ホテル・ヴォルフスシャンツェに着くと親っさんと共に会場に向かう、八階の会議室だ。俺の他にはアンシュッツ副頭領とウルマン、ルーデルの三人、計五人だ。時間は午後二時、総会の開始は二時半だが会場は二時から使える事になっている。問題は無いはずだ。エレベータで八階に行くと既に人が大勢いた。

俺達がエレベータから降りると皆が俺達に視線を向けた。去年も一昨年もそうだったな、そして年々視線が強くなる。そんなに見るなよ、恥ずかしいだろう。ここから先は親っさんが先頭だ。挨拶を受ける事になるからな。俺達が会場に向かうとすっと近づいてきた男が二人いた。一人は中肉中背、四十代後半、もう一人は長身、三十代前半。ベーレンス一家の頭領とシュワルツコフ一家の頭領だ。

「御苦労様です、黒姫の頭領」
「お会いできて嬉しいです、黒姫の頭領」
「御苦労様です、ベーレンスの頭領、シュワルツコフの頭領。早いのですね」
ベーレンスの頭領とシュワルツコフの頭領にとっちゃウチの親っさんは大事な客だ。そして海賊組織の実力者でもある、挨拶は欠かせねえ。

「何時も私達に仕事を回してもらって感謝しています」
ベーレンスの頭領が言うと隣でシュワルツコフの頭領も頷いている。まあ内乱の所為でかなりやばい状況にまで追い詰められたらしいからな。今でもまだ十分に回復しているとは言えねえだろう。これからも仕事を回してくれ、仲良くしたい、そんなところだな。

「いえこちらこそ助かっています。ウチがフェザーンに武装艦を置くのはちょっと問題が有りますのでね、困っていたのです。これからもよろしくお願いします」
「それはもう」
「喜んで」
「規模は小さいのですが新しく輸送会社を手に入れましたのでそちらの方もお願いすることになります」

あーあ、二人とも喜んでるよ。親っさん、相変わらず上手いよな。そりゃこっちも困っていたけどよ、困ったの度合いが全然違う。馬鹿な奴なら威張り散らすだろうが親っさんは相手を立てるんだから……。まあフェザーンの喉元に有る星系を押さえている組織だからな。ウチはフェザーンと面白くねえ関係に有るし味方に付けておけば色々と心強いのは確かだ。

新しい輸送会社は所有輸送船は四十隻だから確かに大きくはねえ。グラスコ輸送会社、血族会社でオーナーの一族が好き勝手やっていた。だがウチとの価格競争に負けてどうにもならなくなった。オーナー一族が自分達の取り分を
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