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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十九話 K/S同盟会合の乱
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 放たれたリョウの余りにも巨大な声に、相手が突然の乱入者であるにもかかわらず周囲の者たちはことごとく声の持つ見えない力に圧され、数歩、あるいは数センチ下がる。

 降りてきたリーファもいきなりの声に首を一瞬首をすくめたが、直ぐにシルフの領主であろう長身の女性の元へと降りて行く。
と、リョウはダークグリーンの長髪のその女性が身にまとっているのが、緑色の和風長衣だと言うのに気が付いた。

『あー、また浴衣着てぇなぁ……』
 今でこそオレンジ色のジャケットだが、以前来ていた翠灰の浴衣の事を思い出し、リョウは溜息をつく。彼なりに、あれはあれで動きやすかったし、着心地もよかったのだ。まぁ、ほかにも理由は有るのだが……

「指揮官に話が有る!」
 そんな事を思ってると、今度は後ろのキリトが大きな声を上げた。あくまでもこちらは乱入者なのだが、突然の事でいまだに整理が付いていないのか何なのか、サラマンダー達の中央が開き、そこから大柄な戦士が進み出て来る。
 赤銅色の、おそらくはレアものだろうアーマーに身を包み、ツンツンとした赤毛の大男はキリトとリョウの前に重厚感のある音とともに着地すると、高い位置から睥睨するように二人を眺めた。一歩引いた位置に控えたリョウではなく、キリトが話の中心だと気が付いたのだろう。直ぐにその視線はキリト一人を射抜く。他のとは違う、なかなかの威圧感が有った。

「スプリガンがこんな所に何の用だ。いずれにせよ殺すが……その度胸に免じて話だけは聞いてやる」
 当たり前だが、そんな言葉にひるむキリトでは無い。即座に彼は大声を張って返す。

「俺の名はキリト。スプリガン・ウンディーネ同盟の大使だ。この場を襲うと言う事は、我々四種族との全面的な対立を望むと解釈していいんだな?」
「ウンディーネとスプリガンが同盟だと……?」
 サラマンダー領は、ALO内に置いて地図上もっとも南に位置する。その北東にはインプ領。北西にはシルフ領が有るのだが、ウンディーネ領とスプリガン領は、インプ領の更に北に位置する。一応隣り合っているので、同盟していてもまぁ違和感はないし、特にあの二つの種族が敵対していると言う話は聞かないが……

『まぁ、突拍子もねぇわな』
 そう思い、リョウは内心で苦笑した。絶対にあり得ないというわけでは無いとはいえ、全く大それたハッタリだ。サラマンダー達は驚きすぎて軽く引いているし、シルフとケットシー側の面々に至っては、愕然としたようにぽかんと口をあけている。

「護衛もいない貴様が大使だと言うのか」
「護衛は俺だ」
 訝しむような目線で訪ねた相手に、今度は後ろに控えていたリョウが答えた。
リョウとしても驚きはしたがしかし、キリトのでっち上げに付き合うのは慣れっこだ。

「貴様は……サラマンダー、では無いな
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