ALO編
六十九話 K/S同盟会合の乱
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「ねぇ、キミ、スプリガンとウンディーネの大使って話、本当なの?」
興味深げに尻尾をゆらゆらと揺らした(寧ろリョウは、その尻尾はどうやって揺らしてんだ?という点に興味津々だったが)アリシャ・ルーが、キリトに尋ねる。キリトは腰に手を当て胸を張ると……
「勿論大嘘だ。ブラフ、ハッタリ、ネゴシエーション」
「あの設定はフィクションです。ってな」
「な────」
続けて言ったリョウのセリフも併せて聞いた二人の領主は、あんぐりと口を開ける。それにしても、美人は何をしても美人だと言うのはどうやら本当らしい。そんな表情なのに、やっぱり二人とも美人だ。
サクヤが茫然とつぶやく。
「無茶な男だな、あの状況で大法螺を吹くとは──」
「手札がしょぼい時はとりあえず掛け金をレイズする主義なんだ」
「それで俺に毎回負けるけどな」
「いやそもそも兄貴に賭け事で勝った記憶ないんだけど……」
あっという間に緊張感のかけらもない会話に話を持っていく二人を見て、サクヤはまたしても唖然とし、そしてアリシャは……
「プッ……ニャハハハハハハ」
突然腹を抱えて笑いだした。
ひとしきり笑い終わると、此方を向いていたリョウとキリトにいかにも猫っぽい……妖しげに輝く瞳を向ける。
「おーうそつきクン達の割には二人とも、随分強いネ?特に……そっちのキミ……」
と、その瞳が突然、リョウの事をまっすぐに捉えた。ススス……と滑るようにアリシャはリョウに近づく。
「ねぇ、あのホムラって子、ワタシ見てたけど、多分プレイヤーとしてはユージーン将軍より強かったヨ?ユージーン将軍はALO最強のプレイヤーの筈なのにネ……そんな子に勝っちゃったキミは一体……何者なのかナ?」
「やっぱ見てたか……けど残念。俺はあくまで一プレイヤーだ。傭兵やろうかと思ってんのはあながち嘘でもねぇがな……」
「ヘェ〜……?」
なおも面白い物を見るように、アリシャはリョウを見つめ、リョウはそれに正面から二ヤリと笑って返す。と、アリシャがリョウの右腕をひょいっと取ろうとして……
「おっ……と、ハニートラップは勘弁してくれ領主殿。残念ながらそっち系の事に余り耐性が無いんでな」
「ニャハハ、トラップなんてひどいナ。そんなつもり無いヨ?」
「どうだかなぁ……」
「うーん、じゃあキミがだめならおとうと君の……」
「だ、駄目です!キリト君はあたしの……」
と、今度はキリトの方に向かおうとしたアリシャから引き離すように、今度はリーファがキリトの腕を握って引きよせた。しかしそこまで言った所で、言葉が詰まる。
「ええと……あ、あたしの……」
どうにも上手い言葉が見つからないのかどもっているリーファに、キリトが助け船を出す。
「御誘いは有りがたいんですが──すみま
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