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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十九話 K/S同盟会合の乱
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んて言うか……あんた達ほんと、滅茶苦茶だわ」
 サラマンダーが去り、無数の羽音が完全に聞こえなくなって、リーファが一番初めに呟いた言葉はそれだった。

「良く言われるよ」
「じゃなきゃこいつの兄貴なんかつとまんねぇよ」
「ひどっ!?」
「……ふふふ」
 くすくすと笑うリーファに釣られて、リョウとキリトも笑いだす。そこに、小さな咳ばらいが響いた。シルフ族の長である、長髪の女性だった。

「あー、すまんが、状況を説明してもらえると助かるな」

────

 一部は憶測で有る事を前提として言いつつ、リーファがこれまでのリョウ達の旅路についてと、そのほかの事の成り行きを説明する。
シルフ、ケットシー双方の要人たちはそれを黙って聞いていたが、やがてリーファがしっかり説明し終えると、全員が深くため息をついた。


「なるほどな……」
 シルフ族領主、サクヤが小さくそう漏らし、形の良い眉をひそめる。

「ここ何カ月か、シグルトの態度に苛立ちめいた物がが含まれているのは私も感じていたんだ。だが独裁者と見られるのを恐れて合議制を取る余り、彼を要職に置き続けてしまった……」
「サクヤちゃんは人気者だからねー。辛いところだヨねー」
 高い声でそんな事を言ったのはケットシー族の長。アリシャ・ルーだ。まぁ、そう言う彼女は自身の領地において、サクヤ以上の単独長期政権を維持しているので完全に自分の事を棚に上げた発言だが……
そこに、リーファの呟くような疑問が割り込んだ。

「苛立ち……何に対して?」
 そう言ったリーファを一度静かに見つめて、美貌の女領主は遠くを見る。

「元々シグルトは、パワー思考の男だ。だからこそ、キャラクターの数値的力だけではなく、プレイヤーとしての権力も求めていた……多分、彼には許せなかったのだろうな。勢力的にサラマンダーの後塵に拝し、もしかすると、いずれ彼らに無限の空を支配され、自分がそれを地面から眺める事になりかねないと言う、この状況が」
 サクヤはどこか物憂げに語る。しかし、リョウもリーファもその説明には一つ抜けているところが有るような気がした。

「でも……だからってどうしてサラマンダーのスパイなんか……」
 そう。いくら現在のシルフの状況に不満が有ると言っても、自分自身がシルフであるシグルトが、余計にサラマンダーを支援し、逆にシルフを追いつめる理由はどこにもないのだ。そうすれば当然彼の種族であるシルフは世界樹攻略から遠ざかるし、逆にサラマンダーはますます世界樹攻略に近づく。これでは寧ろ、彼の嫌っている状況自体を悪化させるだけではないか。それこそ、彼自身がサラマンダーになれでもしない限りは……
 しかしその疑問も、サクヤ自身がすっぱりと答えを教えてくれた。

「もうすぐ実装される、《アッ
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