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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十九話 K/S同盟会合の乱
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えるかな?」
「…………」
 ユージーンが目を細め、沈黙する……と、彼の後ろから一人のサラマンダーが進み出てきた。先程、リョウ達の方を見ていた男だ。面貌を跳ね上げたその顔は……無骨なごつごつとしたものだった

「ジンさん、ちょっと良いか」
『この声……』
 その声を聴いた時点で、リョウはそれが初ログインの時に見逃した男だと気づいた。と言う事は……

「カゲムネか、何だ?」
 やはり、あのときのランス隊隊長だ。

「俺のパーティが、昨日全滅させられたのはもう知ってると思う」
「ああ」
「その時の相手が、まさにこのスプリガンとプーカなんだけど──確かに連れにウンディーネが居たよ」
『wow……』
 明らかな嘘に、キリトは一瞬眉を動かし、リョウは内心口笛を吹く。リーファも、後ろで驚いているだろう。
それに加え、エスがどうのこうのとか言う話を聞いたユージーンは一度コクリと頷いた。

「そうか……」
 そうして少しだけ微笑むと……

「そう言う事にしておこう」
 そう言って、すぐに、キリトに向き直る。

「確かに、現状でスプリガン、ウンディーネと事を構えるつもりは俺にも領主にも無い。この場引くとしよう。──だが、貴様とはいずれまたもう一度戦うぞ」
「望むところだ」
 キリトが二ヤッと笑いながら返し、拳を突き出す。ユージーンも小さく笑うとその拳に己の拳をごつん。と打ちつけた。それをリョウが見ていると……

「リョウコウさん……」
「ん?」
 小さく、しかし澄んだ声が、リョウの耳に響いた。

「私も、貴方にまたきっと挑みに行きますから。なのでその……ふ、フレンド登録を……」
「んあ?あ、おう……いいのか?偉そうなこと言ってあんな戦い方する奴だぜ?俺は」
「……あれ、本気じゃ有りませんでしたよね?」
「え……」
 リョウは驚きホムラの顔を正面から見返す。その顔は真剣そのもので、冗談で言っているわけではないのが分かった。

「……すまんな。別にお前を侮辱したわけじゃねぇんだ」
「いえ。構いませんよ。ただし、次に会うときは、初めから本気出さないといけないようになってますから」
「…………!」
 二コリ。と可愛らしく笑ったその顔を見て、リョウは眼を見開き固まる。

「……?どうしたんですか?」
「ん!?あぁいや。笑うと随分美人さんだなと思ってよ」
「む……口説いてるんですか?」
「いんや。褒めてるだけだ。っま、俺も今回のは不本意だし、望むところだ。何時でも相手になるぜ?」
「はいっ!」
 一度嬉しそうに笑うと、ホムラはリョウとフレンド登録して他のサラマンダー達の元へと走っていく。

 そうして、ユージーンを先頭とした朱い一団は、南西の空へと去って行った。

────

「な
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