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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十九話 K/S同盟会合の乱
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だ。しかしそこは矢張りサラマンダーの将軍が推薦するだけの実力を持つ彼女、ホムラである。始めてみる跳躍に対しても焦り、硬直することなく反射的に槍の切っ先を真下に向かって構える。突発的な事態であるのに、翅を器用に使って姿勢制御をしつつ槍を構えるその対応は見事の一言と言えた。幸い、自分は地面から大分離れた位置にいるため、ギリギリだがカウンターを打つ余裕は有る。
しかし、ホムラがリョウを射程に入れるよりも早く、リョウコウの口から凄まじい声量の咆哮が放たれた。

「─────────────────ッ!!!!!!!!」
 物理現象としての音声よりも、システム的大音量として叫んだリョウの声は、周囲には唯の大声として聞こえただろう。しかしデュエルの対象となっているホムラは話が別だ。その音波が彼女を直撃した瞬間──

 呪歌《シング》 プーカ限定範囲妨害スキル 《ハウリング・シャウト》

『うっ……!?』
 急激に景色が統一性を失い、ホムラは滅茶苦茶になった視界の中一気にバランス感覚を失った。飛行姿勢がバランスを崩し、ふらついた所に……

「破ァッ!!!」
「っく、うあっっ!!?」
 左足を、強烈な衝撃が襲った。足が有った部分を喪失感と不快感が掻きむしり、ホムラの動揺が上乗せされる。視界の端。無事な部分の自分のHPが大きく削られ、一気に残りが六割になる。そのすぐ下に現れた異常状態表示は見なくても分かった。部位欠損の表示だ。
しかも、攻撃がこれで終わりではない事は彼女にも分かっていた。
 ブゥゥゥゥゥン!!と言うプロペラ機じみた音が、何処からともなく聞こえる。働かない視界の中、ホムラは必死にそれが何処から来ようとしているのかを判断しようとする。しかし耳に強烈な耳鳴りが残っているせいで、それすらままならない。

 先程の《ハウリング・シャウト》は、呪歌(シング)のかなり上位に位置するスキルで、大音響の音波によってプーカ以外の種族の平衡感覚を狂わせ、視界を滅茶苦茶にするとともに、強烈な耳鳴りを相手に残すスキルである。
 圧倒的な隙を相手に作る事が出来るが、反面効果は数秒で、元々戦闘が得意な種族では無いプーカにしか使えないスキルだ。またフィールドで使った場合、相手が味方であってもプーカ以外の種族なら効果を発揮してしまうという、パーティでは使いどころの難しいスキルでも有る。

 まぁ、それもデュエルでなければ、の話なのだが。

「おっ……羅ァ!!」
「う、く……きゃあああああぁぁぁぁ!!?」
 必死に防御に槍を構えた瞬間、再び圧倒的な衝撃が彼女を襲う。その瞬間ようやく彼女の視界が元に戻ったが、自分がどういう状態なのか理解する前に、彼女の体は思いっきり吹き飛ばされる。次の瞬間──

「くっあ……ぐ、ごっ!?」
 鈍い音を立てながら、
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