ALO編
六十九話 K/S同盟会合の乱
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真面目な顔でぺこりと頭を下げた彼女に釣られて、リョウも戸惑いつつ一礼する。なんとも礼儀正しい少女だ。
礼をしてから、彼女は自身のアイテムウィンドウを操作し始めた。持っていた重厚そうなランスをしまい、幾分か短く、軽そうな両手を両手槍を取りだした。己の得物の柄をしっかりと持ち、先端に付いた刃の切っ先を此方に向ける。……前に、リョウにデュエル申請が飛んできた。モードは《全損決着モード》もちろんOKする。
そうして、ウィンドウを操作し中から巨大な薙刀……というか最早大剣だが、とにかく斬馬刀を肩に担ぐ。
一瞬リョウの斬馬刀を興味深そうに見たホムラだったが、即座に射抜くような眼でじっとリョウの方を見つめてくる。
『まっ直ぐだねぇ……』
そんな事をリョウが思っているうち、高原の中を流れていた雲の合間から、一筋の光の柱が、リョウ達の元へと伸びた。それがサラマンダーの指揮官の持つ剣を照らした──瞬間──誰が言ったわけでもなく、それが開戦の合図となったかのように、紫色の光が弾けた。
[DUEL!]
[DUEL!]
「ッ!」
「おっ!?」
瞬間、剣の対決側は両者が同時に空中を疾駆し、指揮官が剣を振り上げる。
対して、少し遅れて始まった長物対決の側で動いたのは、ホムラと言う少女の方だけだ。右手を後ろ、左手を前に添えて肩の高さに槍を構え、一気に距離を詰める。そして──
「ヤァァッ!!」
『うおっ!?』
一気にそれを突き出した。突き出された槍の速度は凄まじく、キリトとリョウの斬撃すら超えるスピードだ。予想外の速さに、リョウは一瞬だけ驚く。しかし……
「奮っ!!」
当然、それをおとなしく受けるつもりはない。迎撃のために、リョウは斬馬刀を柄を短く持ち、最速で振り下ろす。見た目だけでは分からないが、重さ的に弾けると踏んだのだ。が……
「ヤッ!」
「なん……づぁっ!?」
ホムラの槍の切っ先は、リョウの左肩を的確にとらえた。
『うっそだろ……オイ……!?』
リョウは素直に驚愕していた。ホムラの突き出した槍の軌道が、途中で変わり、リョウの迎撃をよけたのだ。
どういう事かと言うと、ホムラは槍を突き出す前、右手をあらかじめ捻って構えていたのである。突き出す時に、添えた左手を軸に槍を支えつつ、それをもとに戻すように手首を回す事で槍の軌道を大きく変え斬馬刀を回避、しかも軌道を変えた槍からはすぐに手を離し、体を左に捻ってリーチを伸ばしつつ延長線上にあった体も斬馬刀を避ける事で、自分はかすり傷一つ負っていない。
そうこう考えるうちに、HPの二割を削られたリョウに、再びホムラの槍が迫った。
────
『まいったね、こりゃ……』
数分後、リョウのHPは、既に半分近く削られていた。変幻自在に変化する槍の
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