ALO編
六十九話 K/S同盟会合の乱
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。プーカか。そのデカイ得物以外大した装備もなさそうだが……?随分な護衛だな……?」
「リョウコウだ。フリーで傭兵やってる。まぁこんな格好《ナリ》でも、腕にはそれなりに自身が有るんでね。ちなみに此奴とはあんたの兄貴よろしく兄弟だ。種族はちげぇが、傭兵業の売り込みに一役買ってもらってる」
「ほう……?」
男は腕に覚えが有ると言ったリョウを興味深げに眺めていたが、やがてキリトに視線を戻す。再び正面から向き合ったキリトが口を開く。
「この場には、シルフ・ケットシーとの貿易交渉に来た。が、会談を襲われたとなれば我々も黙っているつもりはない。四種族合同で、サラマンダーとの全面対決の姿勢を取る事になるだろう」
「…………」
そうしてしばしの間、両者の間を沈黙が包んだ。しかしやがて、深紅の大男はゆっくりと口を開く。
「護衛が居るとはいえ、碌な装備も持っていないうえに突然乱入してきた貴様を、にわかに大使だと信じるわけにはいかんな」
そうして少し間を置き……。
「この場で、貴様ら二人の実力をそれぞれ証明しろ。それによって、判断してやる」
「へぇ……」
「良いだろう。で、どうする……?」
「スプリガンの方は俺とデュエルだ。プーカの方は……腕に自信が有ると言ったな?」
「あぁ。まぁな」
「ならば一対一のチーム戦にするとしよう。ホムラ。出ろ」
「え?は、はいっ!」
男の後ろから澄んだ高めの声とともに出てきたのは、赤い兜をかぶった他と同じサラマンダーだった。しかし、その鎧には胸部分に特有のふくらみがあり、相手が彼では無く彼女だと分かる。
「ルールは簡単だ。お互い、相手を定めて同時にデュエル。それだけだ」
「成程……邪魔なしでお互いやろうぜと。」
「理解が速いようだな……ならば始めるぞ」
「はいっ!」
「兄貴、勝てよ?」
「俺は寧ろお前は心配だがな?」
「ぐぬ……」
格好を付けたつもりが皮肉で返されたキリトは、暗にお前の嘘から始まったんだからお前が負けたら格好付かないぞと言われているのに気が付き、頬を掻く。
そうして、四人の妖精は空中へと飛び上がった。
キリトとユージーンは、デュエル申請を出し、受理するとお互い背に背負っていた大剣を正眼に構える。そのまま、互いに隙を窺うかのように微動だにしない。
リョウ達の方はと言うと、既にリョウも眼前の相手に目を向けている。小柄な体には不釣り合いにも見える重厚な鎧と兜を見に付けた相手の顔が、兜が顔全体を覆う物では無いせいでよく見える。赤い瞳にすっと結んだ口が特徴的な凛とした顔立ちの少女で、リョウと比べると余計にその小ささが目立った。
「改めて名乗ります。ホムラです。よろしくお願いします」
「ん……、あぁ。こりゃご丁寧に。リョウコウです、宜しく」
至極
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