第59話 =新たな冒険=
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ついている小さな羽を動かした。キリトがその姿のユイをつつくとその指から逃れるように空中へと浮き上がった。
「…じゃあ前と同じように管理者権限があるのか?」
キリトが聞くとユイは少ししゅんとしてしまい表情を沈ませた。
「できるのはリファレンスと広域マップデータへのアクセスくらいです。接触したプレイヤーのステータスなら確認できますが主データベースには入れないようです」
「いやいや、十分だよ。ユイ」
マップのおかげで迷わずにいけるしリファレンスも役に立つだろう。そしてこの世界に来た本題を話す。アスナとユカがまだログアウトできてないことを。さすがにあの不の象徴のような須郷のことが話さなかったが…。
「それで、目撃情報っていうのが世界樹って場所らしいんだけど…ユイは場所わかる?」
「ちょっと待って下さいね…ここから大体北東に…でも距離が相当に遠くて50キロメートルはあります」
おれの質問にユイは自らの脳旅行を駆使して話してくれた。それにしてもどれだけ広いんだよこの世界…横幅がアインクラッドの5倍って…。そしてここにログインした理由を聞くとどうやら位置情報の破損、もしくは近傍の経路からダイブしているプレイヤーと混信したのか、という候補はあるらしいのだがこれだという理由はわからないらしい。
「せっかくなら世界樹の近くにでも落ちてくれれば簡単だったのにな〜」
そうは言ってもヴォルトのホームタウンが世界樹の近くに行くとは思えないし、スプリガンのホームタウンに至ってはもともと固定されている。
「そういえば、ここでは飛べるって聞いたな」
キリトは立ち上がり自分の背中に生えている羽を覗き込んでいた。キリトの翅は黒く半透明で昆虫のようなものだった。大して俺は紫の翅だがほんのりと黄色に発光している。形はユイのと似ていてそれが4枚あるらしい。
「どうやって飛ぶんだろ」
「いや、俺に聞かれても…」
「補助コントローラがあるみたいです。左手を立てて、握るような形を作ってみてください」
ユイの言葉に俺とキリトは手を動かすと簡単なジョイスティック状のオブジェクトが出現した。手前に引くと上昇、押し倒すと下降、左右で旋回、ボタン押し込みで加速、離すと減速になっているらしい。
「おぉ!…飛べてる…」
「…ちょっと…難しいな…」
キリトは他にも飛行系VRゲームの経験があるそうだけどずっとアクションRPGだった俺には結構操作し辛いな…。
「でも……よし…いけるな。ユイ、一番近くの町までナビおねがい」
「はい。えっと《スイルベーン》という街に行きたいと……あっ」
「どうしたんだ、ユイ」
キリトの問いにユイはプレイヤーの接近を知らせてくれた。どうやら3人が1人を追っている形
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