第59話 =新たな冒険=
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れたアイテムがいくつも存在しておりその全てが文字化けしていて使えないものになっていた。俺も多分同じようになっているんだろうな……この中にオータムリリィやキャリバーンといった相棒たちがあるとなると消去しにくいな…。
「…っ!」
「どうした?」
キリトは何かに気付いたらしくその文字化けしたアイテム欄を猛烈な勢いでスクロールさせていく。しばらくするとあるアイテムの前でキリトはその指を止めた。「MHCP001」という傍から見ればこれもまた意味不明な羅列だが俺たちとってはある1人の少女の名前でもあった。キリトはアイテム取り出しボタンを押してその涙型な結晶を両手でそっと持ち上げた。いまだにその結晶はトクン、トクンと瞬いている。
「……頼む」
その言葉と同時に結晶に触れるとキリトの手の中で純白の光が爆発した。思わず驚きの声が漏れるがそれを気にせずに結晶はどんどん空中へと登っていく。そして2メートルのところで停止したが光はどんどん強くなっていく。眼を焼かれそうになるのを気にせずにその光を見開いて見守る中渦巻く光から1つの人影らしきものが…。それは徐々に形を変え色彩を纏っていく。黒く伸びた髪、純白のワンピース、手足はすらりとしており手を組んで何かを祈っているかのようだった。
「俺だよ…ユイ…わかるか?」
「…わかるさ、絶対」
何か証拠があるのか、といわれれば俺は無いと答えるしかない。でもシステムを超えた絆が俺たちにはあるはずだ…。それを目の前の少女は証明するかのごとく口を開いた。
「また、会えましたね。パパ、にぃ…」
大粒の涙を流しながらその少女、ユイは自身の父親の胸に飛び込んだ。今は無い城で3日しか過ごしていなかったがあの楽しかった日々はまだ俺の記憶には焼きついている。ユイに会えたんだ…絶対にアスナとユカにも会える…そんな希望がどこからか芽生えてきた。
―――――
「…それにしても……」
「あぁ…なぁユイ。この世界ってどういうところなんだ?」
俺の質問に膝の上にいるユイは首をかしげていた。ちなみに俺とキリト、どちらの膝に座るか、となったときユイが俺を選んでくれたのでキリトがこちらを睨んでくるがそんなものは無視だ。
「えっとな…」
あそこでユイが消滅してしまってからの経緯をかいつまんで説明する。ユイを自分のナーヴギアに転送したこと、SAOがクリアされてアインクラッドが消滅したこと、そしてこの世界と旧キリトと旧リクヤのデータがいまだ残っていることを。ソラのこととアスナ、ユカ姉妹のことについては簡単に説明することは出来ないので保留しておいた。
「ちょっと待って下さいね…」
ユイは何かの声を聞くように耳を澄ませるかのように首を傾けた。そしてすぐにぱちりとその瞼を開けて俺た
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