第13話 3つ目の世界、魔法世界からの来訪者
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跡から発掘された、現代の水準をはるかに超えた魔法技術によってつくられたものであり、その技術の解明によって、様々な恩恵を世界にもたらしてくれます。
世界と世界の間にある次元の壁を行き来する事が出来る船が時空航行船も、その恩恵の一つです」
そこまで一気に話し、あたりを見回す。全員、なんとか理解してくれたようだ。
「なるほど、概要は分かったよ。それで今回のジュエルシードというものは」
恭也がおもむろに口を開く。そちらの方へ首を向け、ユーノは説明を続ける。
「はい、とても大きな力を持ったロストロギアです。使えば願い事をかなえてくれるのですが、代償があったり、ゆがんだ形で願いがかなったりと危険な代物です
だから、安全な所に保管をお願いしに行く途中だったんですが、事故にあってしまい……」
「運んでいた時一緒にいた君も、この世界に来た、と」
「ええ。ジュエルシードは、僕が見つけたものです。だから、僕だけでも何とかしないと、って思ったんです。
それに、ロストロギアは、誰かの幸せのためにつかってほしいんです! そんなものが、誰かを危険にさらすなんて絶対に嫌だったんです!!
……いいえ、もうなのはさんを巻き込んでしまいました。
謝ってもどうにもならない事かも知れませんが、本当に、すみませんでした」
話の最後に自身の過ちを思い出してしまったか、その前までの力説が嘘だったかのようにに元気なく俯く。
その後は誰も話しださなかった。リビングには壁掛け時計から聞こえる、チクタクという音だけが辺りに響く。
士郎と恭也は若干苦い顔、桃子や美由紀はどう話を切り出したものかおろおろしている。
なのはは真剣な顔をしてユーノを見つめ、すずかもそれは同様だ。
純吾は何か良い事を思いついたかのような顔をして、ごそごそとポケットをまさぐる。
「あ、あの! 今回は、なのはさんを危険な事に巻き込んでしまって本当に済みませんでした!! それで、そんな事言いながらとてもおこがましいとは思うんですが、一週間、いえ、3日だけ僕をここにおいてください!
それだけあれば、魔力もちゃんと回復しますし、僕一人だけでも――」
空気に耐えかねたか、バッとユーノが頭を下げ、そう切り出すが
「…………」
ずいっ
「え、あ、あの。 これは?」
純吾がおもむろに茶碗蒸しを取り出し、ユーノの前に置いた事で中断された。何の脈絡もないその行為に、ユーノは眼をぱちぱちとさせる。
「茶碗蒸し、おいしいよ?」
「だ、だからどうして」
「ひとりぼっちは、お腹すく。ジュンゴよく知ってる。
一人だとご飯、自分で作って食べても、おいしくないし、寂しい」
“寂しい”。その言葉に電流が流れたかのようにユーノの
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