ALO編
六十八話 事態急転
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ファはうふふ。と笑いながら近くのベンチに座り、ログアウトした。ちなみに此処は中立都市であるため、肉体はしばらく残る。リーファの先程の発言は、そう言う事だ。
「く、くそぉ……」
「んにゃろう……」
それぞれ渋い顔をしつつ、キリトとリョウはベンチに座り込む。と……
「腹減ったな……」
リョウが呟いた。先程の戦闘のせいかキリトもリョウも小腹がすいている。キリトは苦笑して言った。
「俺、そこの屋台で買い物してくるよ」
「あぁ。頼むわ」
そう言って、キリトは正面の何かを焼いている屋台に向かって走っていく。ちなみにユイはと言うと、眼を閉じたリーファの膝の上で何やら鼻歌を歌いながらメニューを操作していた。
一人手持無沙汰になったリョウは、口にくわえた煙草をつまんで口から離すと、含んだ煙を吐き出す。
『……ん?』
同時に少し先程の考え御続きを考えようとしたリョウは唐突に、先程のレコンのメッセージを思い出した。
[やっぱり思ったとおりだった!気を付けて、s]
同時に、出発の直前、メッセージの送り主と、シグルトが言っていた言葉を思い出す。
『ちょっと気になる事が有るから、それを調べきってからにするよ』
『まだ確証はないんだけどね……とりあえず、僕はまだあのパーティに残るよ』
あのパーティ。すなわち、シグルトのパーティの事だろう。あのパーティ内で、レコンは何かを調査していた。シグルト……それを考えたときに、リョウの頭の中で何かが、カチリとはまりこんだ音がした
『シルフ領に、スパイが入りこむ方法……!』
もしかすると、あの文章の末端にあるSと言うのは、「シグルトが〜〜」「シグルトは〜〜」と続けようとしたのではあるまいか。と言うのも、ガーディアンに狙われる多少となっている種族がそれを切り抜ける方法の一つに、《パス・メダリオン》と言うのが有る。
これは本来、厳しい審査などをパスした信用のおける行商人等に発行され、装備する事で、その装備者だけをガーディアンの攻撃対象から外すアイテムだ。これはシステム上、種族の上層……すなわち執政部のごくごく限られた人間にしか発行できない代物なのだが、リーファはシグルトは政治的にも実力のある人間だと言っていた。もし、シグルトがそれを発行できるとすれば、辻褄は合う。
無論これらは仮説でしかない。メッセージの内容がシグルトだと言う確信はないし、彼がパス・メダリオン発行できるかは不明だ。何よりそれをする事によって、シグルトにどんなメリットが有るのかが分からない。サラマンダーが言っていた、リョウ達によって支障をきたす「作戦」と言うのも不明だ。しかし……リョウは引っ掛かった。
『いずれ“必ず”後悔するぞ』
あの時のシグルトの瞳に見えた、須郷と同じ──確信の
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