ALO編
六十八話 事態急転
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サリー)屋等が重なるようにして密集している。差し詰め、積層都市と言ったところだろう。本来暗いであろう街の中はそれぞれの店から出ている明かりと街頭によって淡いオレンジ色に光り、リョウはなんとなくどこかのアーケード街の雰囲気を思い出す。
NPC演奏団の奏でる陽気な音楽の中に、カーン!コーン!カーン!コーン!と言う鍛冶屋の槌の音が響き、それが妙にマッチしていた。
リーファは新しく来る場所に興味深々らしく、さっそく手近な武器屋の店先をさっそく覗き込こみ、買い物としゃれこんでいる。
そんなリーファの姿を微笑みながら見つめていたキリトが、何かに気付いたように不意にこんな事を言った。
「そう言えばさぁ……」
「ん?」
「サラマンダーズに襲われる前に、なんかメッセージ来てたみたいだったけど、あれ、何だったの?」
「あぁ、そういや届いてたな。確認できたのか?」
「あ……」
武器屋の棚に向かい合っていたリーファの顔を覗き込むと、その顔は口をあんぐりと開けていた。女性としてその顔はいかがな物か。というか……
『忘れてたな。こいつ』
『忘れてたんだな……』
キリトとリョウの思考が完全にリンクしたのと同時に、リーファが「忘れてた」と言った。
あわてたようにメニューウィンドウを操作するリーファから、リョウとキリトもそのメッセージを見せてもらう。
メッセージは、短文だった。
[やっぱり思ったとおりだった!気を付けて、s]
「なんじゃこりゃ」
「確かに良く分からないな……」
「でしょ?」
言ってからリーファは再びをウィンドウを操作して返信を打とうとする。しかし、フレンドリストに唯一表示されたレコンの名前は、オフラインを示すグレーになっていた。と言うか……
「おまえフレンド一人かよ」
「う、うるさいわね!別にリョウに関係ないじゃない!」
「あははは……」
「キリト君〜?なんで苦笑いするの〜?」
片眉をぴくぴくとさせてにじり寄るリーファに、キリトはひきつった笑いを浮かべながら、「と、とりあえず、リアルで確認してきたらどうだ!?」とかなんとかのたまっている。顔が必死だ。
リーファは一度「フンッ!」と鼻を鳴らして顔を少し朱くなった顔を反らしたが、結局キリトの意見に従う事にしたらしく……
「じゃあちょっと落ちて確認だけしてくるから、キリト君とリョウは待ってて。あたしの体よろしくね。あ、そうだ。ユイちゃん」
「はい?」
唐突に、先の戦闘から肩に乗ったままだったユイにリーファは笑いかける。
「パパと“叔父さん”があたしに変な事しないように見張っててね?」
「りょーかいです!」
「ちょ、あのなぁ!」
「オイ待て、今なんで叔父さんのとこ強調したお前」
男二人の訴えには答える様子も無く、リー
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