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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十八話 事態急転
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 しかし世界樹攻略で無いのなら、サラマンダーの大部隊と言うのは一体何が狙いなのだろう。と言うか……サラマンダー達の作戦とリョウ達たった三人に、一体全体何の関係が有ると言うのだろう?

 不可解な点は二つだ。
一つは、サラマンダー達が何故リョウ達を付けてこれたのか。
ほぼ間違いなく、やま勘では無い。シルフ領からアルン高原に行くには二つ道が有る。片方はルグルー回廊。もう片方はシルフ領の北。ケットシー領の方にある、蝶の谷だ。
 原則として、シルフはケットシーとは仲が良い。ケットシーが自らの得意とする《テイミング》のスキルでテイムしたモンスターを交易としてシルフに譲渡する事が多いことなどがその理由であり、情報サイトによれば、近々同盟が結ばれる可能性すらあるという話だ。つまり、ケットシー領側にある《蝶の谷》を通るのは、サラマンダー側の通路である《ルグルー回廊》に比べ比較的安全なのだった。よって、そもそもやま勘なら彼等は《蝶の谷》に行ったはずだ。そしてそれよりなにより、もしそうなら洞窟内で付いて来ていたトレーシング・サーチャーに説明がつかない。

 《スイルベーン》を出た後は、ユイがずっと周囲をレーダーサーチしていたのだ。こちらにトレーサーを付けるタイミングが有ろうはずがない。だとするならば、あれはスイルベーンを出る前からリョウ達を付けて来ていた事になる。付いて来ていたのはトレーシング・サーチャー。かなりの上位魔法であったはずだから、おそらくかけたのはサラマンダーだろうが、しかしあそこはシルフ領だ。スパイだろうが観光客だろうが敵対関係にあるサラマンダーが領地内を不用心にうろうろしていれば、巡回するガーディアンに見つかった瞬間即座に殲滅される。確かにそれをかいくぐる手段も有るには有るが、難易度が笑えないほど高いはずだ。

 鉱山都市ルグルーへの城門をくぐる直前で、リョウは煙草を口に咥え、先端を指先で二度叩く。薄緑色の煙が上がり、口の中が冷たいはっかの香りで満たされる。

 もう一つは、狙われたのがリョウ達である理由だ。
そもそも先程にも疑問だったが、サラマンダーの作戦に、一体リョウ達がどんな関係が有ると言うのか。確かに初日からいきなりサラマンダー二人を惨殺したが、だからと言ってサラマンダー上層部に目を付けられるほど悪目立ちした覚えはない。

『なんか……見落としてんだよな……』
「……にき……おい兄貴!」
「あ?あぁ」
 考えこんでいたせいでないがしろになっていた外部への意識を、キリトの一言が浮上させた。そうしてそこ周囲に目を向ける……と……

「へぇ……」
「凄いよな……」
 何時の間にやらルグルーに入ったリョウの前には、城壁から続く広い目抜き通りと、その省側に高い岸壁がそびえ、武器、防具屋を中心に酒屋、万屋、彫金(アクセ
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