ALO編
六十七話 巨大橋の死闘
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!という大音響とともに、打ち込んだ剣が物の見事に跳ね返された。
「無駄よ……」
衝撃でひっくり返ったキリトに、彼の前で立ち止まったリーファが言うのを、彼は恨めしそうに見つめ返す。やがて恨めしげに立ちあがると……
「もう少し早く言ってほしかったです……はい」
「君がせっかち過ぎなんだよ……土魔法の障壁は物理攻撃じゃ壊せないのよ。魔法じゃないと……」
「つーか、そんなん情報サイトで書いてあんだろうが……毎回毎回感覚でプレイングすっからそうなるんだ」
「ぬ……兄貴だってしょっちゅう勘とか言うじゃないか」
「基本知識は少なくとも身に付けて来てるつもりだ」
「そりゃそうだけどさ……」
「ほら二人とも!言ってる場合じゃないでしょ!」」
並んだまま背後を振り返ると、赤い鎧の一団が橋の袂へと差し掛かるところだった。
「飛ぶのは無理だから……湖に飛び込むってのは?」
「駄目ね。ここには超高レベルの水龍モンスターが居るらしいの。ウンディーネ無しじゃ水中戦は自殺行為だわ」
「んじゃつまり……俺たちゃあの団体さんをお出迎えしなきゃなんねぇわけだ」
「そうなんだけど……ちょっとキツイかもよ。あれだけの高位土魔法をサラマンダーが使えるってことは……相手にかなり手練れの魔法使い(メイジ)が居る事になるわ」
リーファは言いながら腰の長刀を抜剣する。涼しい金属音が、広い洞窟内に響き渡る。それに合わせ、リョウは斬馬刀をアイテム欄から出そうとして、少し考えた。ここならばホール状になっていて橋の上であるためある程度斬馬刀を振りまわす事は出来るが……
『いや……』
しかしこちらの武装は、自分は長物、キリトは大剣。先程までよりいいとはいえ、矢張り三人が一斉に戦うにはスペースが足りない。寧ろ一人で戦った方がいいかもしれない。キリトも、その事を考えたのかリーファにサポート役に回ってくれるよう頼んでいる。そうして、キリトとリョウは眼を合わせ、互いにうなづく。
『ここなら……』
アイテム欄の一つをリョウは叩く。ウィンドウの上に現れたのは、金属の光沢を身にまとう蒼い縦笛……《魔笛・セイレーンの笛》
────
「それじゃ……援護頼む!」
「えぇ!」
「おうっ!」
キリトが飛び出すと同時に、リョウは演奏を始めた。オーボエに近い少しくぐもった、しかししっかりと澄み渡った音が、洞窟内に響く。はじめとしては少し効果発動までの時間が長めの曲を選んだため、リョウの演奏効果が発動するより早く、キリトが相手を射程に入れる。
基本的に、楽器演奏は有る一定部分まで演奏が進まないとその効果が表れない。しかも効果時間が短く、基本的に演奏者はずっと演奏して次から次へと重ねがけをする必要がある。
対し、先度までリョウが使っていた呪歌《シング》は
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