ALO編
六十七話 巨大橋の死闘
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げ……」
すぐにその意味に気付いたリョウが、リーファに言う。
「リーファ、キリト、逃げんぞ」
一応ヒソヒソ声では有るものの、突然の言葉に二人がひるむ。
「ど、どうしたの?」
「音だ。近づいてんのは「あ、あれ、何だ?」ちっ……」
何かに気づいたようにキリトが指差した方を見たリョウが、舌打ちを打つ。リーファもそれを見た途端、急激に表情を険しくして、隠蔽が解けるのも構わず通路に飛び出した。
それは、赤く小さな蝙蝠だった。ひらひらと飛びまわりながらこちらに近づいてくる
「お、おい、どうしたんだ?」
「あれは高位魔法のトレーシング・サーチャーよ!つぶさないと!」
言うが早いがリーファは即座にスペルを詠唱し始め、彼女の手から出た緑色の針によって蝙蝠は叩き落とされた。数秒後、足音が急に速くなる。
ちなみにトレーシング・サーチャーと言うのは、追跡を行うトレーサーに隠蔽を暴くサーチャーの能力を付けた
「やべっ、来るぞ!」
「街まで逃げるよ!」
「隠れるのは……!?」
「だめ!ここまできたらサーチャーをたくさん出されるから隠れきれないわ!それにさっきのは火属性の高位魔法だから、付いて来てるのは……」
「サラマンダーか!」
「そう言う事、行くよっ!」
すぐに三人は走り出す。幸い、此処は中間地点である鉱山都市ルグルーに既に相当近い。この先の地底湖を超えれば直ぐに付く。
ちなみにトレーシング・サーチャーと言うのは、追跡を行うトレーサーに隠蔽を暴くサーチャーの能力を付けたかなり高位の魔法の事だ。当然、火属性が得意なサラマンダー以外が覚えるにはかなり大変な術でもある。
「おっ、湖だ」
キリトの言う通り、直ぐに前方には湖が見え始めた。リーファは何事かをぶつぶつと言っていたが、キリトの言葉に正面を向き直る。
地底湖の上にかかった石畳の橋を三人は走り抜ける。それなりに、と言うかかなり大きな橋で、幅だけで三メートルは有る。距離も長いが、目指す先には城壁が有り、そこが鉱山都市ルグルーの入口だ。どうやら追いつかれることはなさそうだとそう思った……その時だった。
後ろから飛来した光の球が、三人の上を通り抜ける。おそらくは苦し紛れだろうと思われたそれは、完全に的が外れており、やり過ごせば全く問題ないはずだ。しかしそれが着弾した瞬間……
「やばっ……!?」
「な……」
「おいおい……」
着弾地点から巨大な土の壁がせりあがり、橋を丸々塞いでしまったのである。これは土系統の高位魔法だ。あわててリョウとリーファはブレーキをかけるが、一人それに従わない奴が居た。
「おい!?」
「あ、キリト君!」
言うまでも無くキリトだ。背中に背負った大剣を抜剣しつつ、壁に向かって突進する。そして……
ズガアァァァァン!
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