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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十七話 巨大橋の死闘
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らは戦闘を極力避けている。天井も壁も三メートル以上の幅が有るものの、リョウの持つ斬馬刀を振るにはそれでもスペースが足りないからだ。
リョウ個人としては多少退屈では有るものの、たまに音楽のスキル内にある、呪歌《シング》系統のスキルで援護を行っていた。しかし、こうなって見ると《セイレーンの笛》の使いどころの難しさが良く分かると言う者だ。何しろ敵を倒そうとして笛を吹くと、余計に敵を増やすことになるのだかなかなかどうして笑えない。

『っま、そこを何とかすんのが良い使い手ってことか……』
 どうやって使うかな。等と適当にふらふら考えていると、不意にリーファが声を上げた。

「あ、ごめんメッセージ来た。ちょっと待って……」
「ん?あぁ」
「オッケ」
 そうして自身のメニューウィンドウを覗き込んだリーファは、何やら訝しげな表情をした後、「何だこりゃ」等と呟きながら難しい顔をする。
それが気になり、リョウとキリトが同時に問おうとした……その時だった。

「パパ、接近する反応が有ります」
 突然ユイが、そんな事を言った。キリトが、「モンスターか?」と聞き返す。ちなみに、先程からユイはその能力を生かしてレーダー役をしてくれ、完璧な正確さで接近するすべてのモンスターの情報を教えてくれていた。おかげで、見通しの悪い洞窟でも不意打ちが無い。
そんなユイは、キリトの質問に対して首を横に振った。

「いえ。プレイヤーです。多いです……十二人の反応が有ります」
「あぁ?」
「じゅうに……!?」
 その数にリーファは驚き、キリトとリョウは眉をひそめる。少し考えてリーファがどこか府なんそうな声で言った。

「少し嫌な予感がする……隠れてやり過ごそう」
「そりゃ良いがよ……」
「……どこに……?」
「ま、そこはまかせなさい」
 同時に首をかしげた男二人に、リーファは腰に手を当て、胸を張る。デカい。

「叔父さん、どこ見てるですか?」
「ん?何の事かわからんなユイ坊」
「……リョウだけ自力で隠れる?」
「さ!速く隠れようぜ!見つかると面倒だ!」
「兄貴……」
 少し女子二人にジト目を向けられたものの気にした様子も無く言うリョウに、小さく溜息をついたリーファは同じく溜息をついていたキリトとリョウを壁際のくぼみに連れて行き、少し狭いながら体を密着させるとスペルを唱える。すると三人の下から緑色のつむじ風が湧きあがり、三人を包みこんだ。リーファがヒソヒソとした声で言う。

「喋るときはこのくらいのボリュームでね。魔法が解けちゃうから」
「あいよ」
「了解……しかし便利な魔法だなぁ……」
「後二分ほどで視界に入ります……」
 ユイがそう言った直後……リョウの耳が、相手の足音を捉えた。それは少し重々しい重金属の音で……

「……
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