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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十七話 巨大橋の死闘
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…………」
「パパ……」
 少々不安そうにそう聞いたキリトをみて、ユイがポケットから飛び出すと、キリトの型にちょこんと乗って心配そうにキリトの頬に手を当てる。リョウは口にくわえた煙草を指でつまんで一度口に含んだ煙を外に出すと、立ちこめた煙のゆらゆらとした光を見ながら、問い返す。

「今更、不安になってきたか……?」
「ちょっと……さ。ここはカーディナルのコピーサーバーで、俺のデータが継続してて、ユイが居て、あの写真の事もあるし、レクトの傘下だ……きっと、俺達が得られる情報の中で一番信憑性が高い……」
 そこまで言うと、キリトはリョウに向き合っていた顔を若干伏せた。

「でも……思うんだ。都合が良すぎやしないかって。俺たちみたいななんの力も無いはずの人間が、こんな簡単に、もっと巧妙に隠しそうなあいつらの事が分かっていいのかって……もしかしたら、此処は全部囮か何かで、俺たちはまんまと須郷の罠に引っ掛かって、時間を稼がれてるだけなんじゃないかって……ホントのアスナは、もっと、どこからも分からないような場所に居るのに、俺は全く見当違いの道を誘導されながら進んでるんじゃないかって……」
 キリトの顔が不安に歪んでいるのは、リョウにも、ユイにも良く分かった。しかしこの状況下において、それを確認する術を持たないユイはどうする事も出来ず、唯、自分の存在を訴える事でキリトを勇気づけることしか出来ない。しかしそれすらも、キリトの中の不安と疑念は押しつぶそうとしている。
故にユイもまた、リョウに助けを求めるような視線を向けた。そして……

「そんな事は無い……とはいわねぇ」
 リョウはゆっくりと口を開いた。

「が……俺が調べた限りでも、ここ以外に有力な情報はねぇ。それにな……俺は、有る意味此処だって確信してる。色々と調べたが、どうも須郷はそういうのに関してはアホっぽい人間みてぇだからな」
「え……どういう事だ?」
 これまでとは違うリョウの観点に興味がわいたのか、キリトは顔を上げて再びリョウと向き合う。
煙を吸いつつ、虚空を見つめてリョウは続ける。

「あいつの周りに関して色々洗ったんだがな……どうも妙な所に自分の美学を持ち込む奴らしい。それに、人をこき下ろすが好きみてぇだな……そう言うのを考えると、わざわざ見えねぇ所に置いときゃあ良い姫さんを晒し物にするようなとこに置いとくのにも納得がいかねぇか?差し詰め、囚われの妖精姫って構図でも作りてぇんだろうよ」
「まずどうやって須郷の周囲なんか調べたんだy「企業秘密だ」はぁ……まぁ確かに分からないでもないけど……他には有るのか?根拠」
「……」
「……」
 キリトとリョウは真剣な表情で向き合い……そして、リョウは再び吸った煙を吐くと……

「……勘だ!!」
「はぁ……」
 結局は
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