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SAO─戦士達の物語
ALO編
六十七話 巨大橋の死闘
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したのを確認して、リョウは口から楽器を離した。こうなると、ちんたらとはやっていられない。
リーファの眼は既に希望をなくし、濁っているし、諦めるのも時間の問題だ。

「キリトぉ!煙幕だ!!」
「り、リョウ!?」
「……!」
 リーファは驚いた様子だったが、キリトは何か策が有る事を察したのだろう。直ぐに短い詠唱を紡ぎ、キリトとサラマンダー達を煙幕が包む。そして次の言葉は……

「スイッチ!!」
「え?」
「っ!」
 それは、ある意味では暗号だ。
SAOでたびたび使われた技術。スイッチ。本来はボス戦闘やモンスター戦を安全に行うためのものだが、ニュアンス的には、それは一つの意味につながる。すなわち──交代
即座に理解し、キリトは一気にサラマンダーとは逆方向に走り始める。そして、リョウは逆にサラマンダーの方へと走る。手に持ったセイレーンの笛は、アイテムウィンドウに既に収納された。

「頼む!」
「任せろ!」
 そして、キリトとリョウが巨大橋の上ですれ違った直後……サラマンダーの看破魔法が発動し、煙幕が吹き飛ぶ。それと同時に、リョウは自らの武器を実体化させる。
とはいっても、それはこの世界でのメイン武装である斬馬刀では無い。斬馬刀は確かに強いし重いしデカいが、実際のところキリトの剣と重さ的にありえないほど差が有るわけではない。つまり、キリト以上の結果は出せるかもしれないが、相手のサラマンダーを突破するのは難しい。ならば……それ以上に重く、威力の高い武器が必要だ。

 リョウが、アイテム欄を叩く。

 走りながら振り向き見た、武器が実体化するその姿を、キリトは一生忘れる事が出来ないだろうと思った。それほどに、呼び出された武器が、圧倒的な存在感を発していたからだ。
長い柄には細かく装飾が施され、先程まで見ていた斬馬刀よりも遥かに切れ味のよさそうな銀色の刃が湖の光を反射して、ギラギラと輝く。そして何よりも、その武器を見た物すべてを睥睨するように周囲を睨みつける。一匹の黄金の龍の装飾。武器として大雑把に言うならば青龍偃月刀と呼ばれるものであるが、彼の持つそれにはたった一つ、その武器のみを示す名が有る。その名は──

「冷、裂……」
「さぁて……行くぜ?相棒」
 語りかけるように言って武器を握る男の、その言葉が赤い妖精たちへの死刑宣告だった事はこのとき、キリトだけが知っていた。


────

「覇ああアアァァァァ……!」
 冷裂の刃を腰だめの姿勢で後ろに構え突進するリョウを前に、サラマンダーの前衛達は再び盾をしっかりと構えこれまでと同じく防御しようとする。狙うは右側の盾。頭の中でリョウは自分に確認し、そして……

「砕ィッ!!」
 ちょうどSAOの時代ならば考えられないような速度で振るわれた刃が、ちょうどU
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