ALO編
六十七話 巨大橋の死闘
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前衛の三人が驚いた声を上げ、滑りながら先程寄り遥かに大きく後退する。減った体力は……二割五分。と言ったところか。単純計算で2.5倍のダメージを与えた事になる。凄まじい支援効果だ。しかし……
「ひるむな!防げばいいだけだ!ヒール隊、呆けるな!こちらも撃てぇ!」
『っと流石にそうは問屋が下さんってか?』
後ろに居るのだろう隊長らしき声によって、部隊は再び体制を立て直す。当然、前衛三人のHPはすぐに回復し、再びの業火がキリトを焼く。
これではキリトのHPが尽きるか、相手のMPが尽きるかの勝負だ。結果は見えている。
『なら……!』
「う……おおおっ!!」
しかしキリトは……そしてリョウもまた、諦めるつもりはない。再び違う曲を演奏し始めたリョウに合わせて、絶望的な顔をしたリーファのヒール詠唱が繰り出され、キリトを回復させる。
『これで……!』
「……!ハッ!!」
そうしてもう一発の砲撃をキリトが受けた時、二つ目の演奏が終わった。
行進曲/跳躍せよ白兎の如く《マーチ・ホワイトラビット》
跳躍……つまりジャンプ力を高める演奏だ。意図を察したのか、キリトの体が一気に跳ね上がる。しかし……
「キリト君っ!!」
再びの悲鳴。空中に飛び上がったキリトの体が、剣先が相手に届く寸前で火球に辺り、撃墜されたのだ。しかもその先は……
「しまっ……!?」
『やべっ!?』
「っ!駄目っ!」
キリトが落ちようとしている先は橋を外れ、湖の方だった。
しかし間一髪、驚くべき速度で飛び出したリーファの手がこちらに向かって吹っ飛んできていたキリトを掴み、反動でキリトの体は橋の上へと舞い戻る。が……そこに再び火球が降り注いできているのが見える。キリトはともかく、あれを食らうリーファのHPがまずい。実を言うとリーファは先程までのモンスター戦で使った体力を回復させておらず、三割ほどHPが減っているのだ。モンスター相手ならいざ知らず、あの密度の火球群を食らえばどうなるか分からない。
「リーファ!」
「やばっ!?」
『やらせっかよ!』
しかし着弾するよりも早くリョウの演奏が再び完成した。
聖譚曲/守護せよ鎧の如く《オラトリオ・プロテクション・アーマ》
「く……!」
「きゃあ!!」
飛来した火炎がリーファ達に直撃する寸前、何か薄緑色の光が彼らを守るのが、確かに確認できた。
これは物理、魔法防御力を一定時間上げる曲だ。結果として、リーファのHPは三割ほど、つまり計四割しか減っていない。キリトがリーファに戻るように指示しているのを確認しつつ。即座に次の曲。
小夜曲/癒せ聖母の如く《セレナーデ・ソワ・ノートルダム》
『んで……こうなりゃ使うしかねぇか……』
凄まじいスピードで二人のHPが回復
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