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蒼き夢の果てに
第3章 白き浮遊島(うきしま)
第25話 余計な決闘立会人
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ては俺の杞憂に過ぎず、護送中には何のアクシデントも無く、ラ・ロシェール所属の兵士たちに因り、感謝の言葉を告げられると言う結果となっただけでしたが。

 まぁ、年若いとは言え、40人近い山賊をあっと言う間に制圧して仕舞った魔法使い(メイジ)達と共に、夜の街道を、捕らえた山賊たちを連れて自らの詰所に戻ると言う危険な任務を行い、実際に帰り道に山賊の残党に襲われる事も無かったのですから、この程度の感謝の言葉は当然ですか。

 それに、義侠心から山賊を退治して仕舞うような青い連中ですから、感謝の言葉だけで満足して帰って行くと判断された可能性も有りますし。

 どう見たって、俺達はバウンティハンター(賞金稼ぎ)には見えませんからね。

 それに、良く考えてみると、あの山賊連中から得られる情報程度なら、敵の方も大して重要な情報だとは思っていないはずですから、見捨てられたとしても不思議では有りませんでしたか。



 えっと、それで、ハルファスからの【連絡】によると、ルイズ達一行が宿を取った『女神の杵』亭にキュルケが宿を確保して置いてくれているみたいです。
 ……と言っても、俺は未だこの世界の文字が読めないので、そう言う名前の宿屋だと言う風に教えられただけなので、看板を見ただけでは何処の宿屋なのかさっぱり判らないのですが……。



「へえ。意外と綺麗なモンやな」

 意外に綺麗な店内の状態に、感心した俺の呟き。
 
 女神の杵亭の一階部分……大体、この手の中世、と言うか、ファンタジーな世界の宿屋ではお約束な配置の、一階部分が酒場に成っている宿屋なのですが、その酒場部分についても、かなり綺麗に磨き上げられた一枚岩から作られたテーブルが並んでいて、カウンター席や、果てはリュート……と言う楽器だとは思いますが、リュートを手にして、恋の歌を歌っているロマ系の歌姫が立っている舞台も、全て同じ岩から削り出された材料で造り上げられた宿屋でした。

 何故に、其処まで石造りに拘るのか理由が判りませんが。

「遅かったわね」

 ルイズ一行と共に、ラ・ロシェールの街に入って宿を確保して置いてくれたキュルケが、たった一人で、俺達……と言うか、おそらくタバサを待っていてくれました。
 才人は俺の事は無視ですか。

「部屋はふたつ確保して置いたけど、あたしとタバサ。シノブとジョルジュの相部屋で良いかしら?」

 キュルケが部屋の番号を記した鍵を、磨き抜かれたテーブルに指し出しながら、そう告げる。
 確かに、普通に考えたら、その配置が正しいでしょう。但し、俺に取っては、この宿の防御能力は判らないので、その配置には問題が有ります。

「いや。俺には、毛布だけ用意して貰えたらええ。そうしたら、タバサとキュルケの部屋の外で扉を背に
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