第3章 白き浮遊島(うきしま)
第25話 余計な決闘立会人
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たとしても、確実に事件の黒幕にまで到達出来るとは限りませんか。まして、身長が高い人間が低く見せるのは難しいのですが、低い人間が有る程度の身長だと見せる事は可能。
さりとて、左腕が無いと言う部分の特徴も、無いように見せ掛ける事は可能だと思いますね。
これでは、情報としては、大して重要な手がかりとは言えません。
それに、白い仮面の男と言うのは、別の連中の事も思い出すのですが……。
但し、その点に関しても未だ情報不足ですか。
成るほどね。……と言う事は、この山賊たちへの尋問から判った事と言うと、
「ルイズ達が狙われています。と言う事が判っただけか」
後は、確実ではないけど、俺達の傍に情報を、そのルイズの持っている密書とやらを狙っている連中に流している人間が存在する可能性が有る、と言う事ぐらいですか。
もっとも、この部分に関してもネズミや小魔などの使い魔が放たれていた場合は、情報が簡単に漏洩していたとしても不思議では有りません。
何故ならば、魔法の世界独特の諜報システムも存在しているはずですからね。
最初にキュルケが言ったように、視覚や聴覚の共有を行えるタイプの使い魔は、このハルケギニア世界でも結構、存在しているはずだと思いますから。
流石に、屋根裏に居る使い魔のネズミに対して気を配る人間は早々居ませんから。
俺の知って居る範囲内では、この世界には、音声を遮断する以外の情報漏洩を防ぐ結界系の魔法は存在しませんからね。
「これは、アルビオンにまで同行する必要が有ると言う事なのか」
近付いて来る松明の炎の赤を見つめながら、ひとつため息を吐く俺。
しかし、どう考えても、ルイズ達と同じ飛行船でアルビオンに向かう訳には行かないと思うのですよね、これが。
何故かと言うと、内戦状態のアルビオンに、俺達が渡る理由と言うのが思い付かないのですよ……。今の俺には。
☆★☆★☆
結局、兵士たちに実は傭兵の山賊を引き渡して、彼らと共にラ・ロシェールの街に辿り着いた時間は、俺の腕時計の時刻で午後の九時を過ぎる時間と成っていました。
尚、兵士達に、山賊を装った傭兵どもを引き渡した後に、何故、その移送を見守るようなマネをしたのかと言うと、夜陰に紛れて、仲間の奪還に逃げ去った傭兵たちがやって来ないとも限りませんし、その白い仮面の男が、何かを仕掛けて来ないとも限らないと思ったから。
山賊や海賊は大抵の場合、重い刑罰が加えられる事が多いので、この山賊どもが、実は自分達は傭兵で、何者かにルイズ一行を襲って彼らの持つ密書を奪おうとした、と証言されるとマズイ事になる人達によって、彼らの口が封じられる可能性が、多少は存在していると思ったのですが。
もっとも、その事に関し
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