第3章 白き浮遊島(うきしま)
第25話 余計な決闘立会人
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事のない雰囲気が発せられた。
……これは、もしかすると本当に光の速さの攻撃を操る事が出来たのかも知れないな。
レーザー光線などの魔法が表向きは、ない事に成っているはずです、この世界には。但し、電撃系に関しては、このハルケギニア世界の系統魔法の中にも存在していたはずですから。
今のタバサは、電撃系の仙術を得意としています。つまり、電撃に関して、彼女は容易くイメージする事が出来ると言う事です。
つまり、彼女が操っている電撃系の魔法が彼女のオリジナル魔法でない限り、この世界にも電撃系の魔法が当たり前のように存在している、と言う事に成りますから。
「才人、落ち着け。オマエさんの役目はルイズを護る事で有って、ここでワルド子爵にオマエさん単独で戦って勝ったトコロで大して意味は無いで。
使い魔と魔法使いは常に共に有るモンやろうが」
ここは、漫画や小説の中の世界では有りません。このワルド子爵の考えが判らないから、はっきりした事は判らないけど、俺の予想通りならコイツ……ワルド子爵と言う人物は下衆。
おそらく、決闘の形を取って、ルイズの前でオマエさんを痛めつけるのが目的。
ヘタをすると殺しても構わないと言う感覚で居る可能性も有ります。
所詮、相手は伝説の使い魔とは言え、貴族では無く、偶然、伝説に選ばれて仕舞った平民なのですから。
重要なのは、伝説の魔法の系統を操るルイズの方で有って、才人の方ではないはずです。
実際、決闘中に死亡した例が、地球世界の中世にも腐るほど有ったはずですから。
才人の傍に近寄って、耳元で囁くように告げる。彼にだけに聞こえるように……。
「漫画や小説なら、相手が悪役だろうと、なんだろうと、何故か主人公に止めは刺さない。せやけど、ここは現実世界やと言う事を忘れるな」
オマエさんの戦いはコンティニューの効かない現実の戦いでしょうが。
確かに、敗戦から得るものも有ります。ですが、その敗戦の際に一番大切な物を失ったら、そこから再戦にこぎ着ける事は、普通は出来ません。
戦に負けた武士の家系がどうなったか、知らない訳はないでしょうが。
男子は全て殺されるのが普通の世界ですよ、ここは。
もっとも、これは自分にとっても縛めの言葉。これを忘れたら、強烈なしっぺ返しを食う可能性が有りますから。
「判ったらサイト。さっさと宿に帰るわよ」
完全に毒気を抜かれた才人の耳を引っ張りながら、何故か、俺の方を、嫌な気の籠った視線で睨み付けているワルドを無視して、ルイズが宿の方に歩を進める。
尚、耳を引っ張られた勇敢な……ある意味無謀な伝説の使い魔が何か騒いでいますが、彼女はそれをあっさり無視して仕舞いました。
まぁ、良かったじゃないですか、才人くん
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