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蒼き夢の果てに
第3章 白き浮遊島(うきしま)
第25話 余計な決闘立会人
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をする事こそが、真の騎士道と言う物では無いのでしょうか?」

 俺は、俺の知っている地球世界の騎士道を引用してワルドの目的を阻止しようとする。

 尚、こう言われたなら、本当の騎士道を志す者ならば普通は引きます。
 もし引かなければ、コイツの騎士としての名誉は地に落ちますから。

 コイツの嫉妬心が勝つか、名誉を重んじる騎士としての矜持が勝つか。
 どちらにしても、現状でもこのワルド子爵と言う人物の、騎士としての品位は下がる一方なんですけどね。

 何故ならば、自らの婚約者に因り無理矢理異世界から召喚された、社会的弱者で有る平賀才人と言う少年に、謂れなき暴力を振るおうとした段階で、騎士としては恥ずべき行為となるはずですから。

「シノブの言う通りね」

 建物の影。宿屋の方から現れたルイズが、何時もと同じように、自らの首を飾る銀の十字架に指を当てながら、俺の傍に歩み寄り、そう言った。
 ……やれやれ。これで、このショウもない決闘騒ぎも終わり、と言う事ですか。

「ワルドもくだらない決闘騒ぎなど起こさないで。
 サイトもそう。これから、いくらでも腕を試すチャンスはあるわ。
 ワルドが、わざわざシノブ達に説明して上げたように、私たちは賊徒によって荒らされつつあるアルビオンに渡らなければならないのよ」

 ……矢張り、あの時にルイズは気付いていたか。そんな雰囲気は発していたけどね。
 それにしても、この娘も結構、厳しい任務を任されて、気分的にはギリギリのトコロで居るはずなのに、その周りを囲んでいる男どもがこのレベルでは頭が痛いでしょうね。

 どう考えても、この二人の間に流れている雰囲気は、味方と言う雰囲気ではないですよ。

「そんな心配はないぜ、シノブ。俺は強いからな。
 相手が騎士であろうと、魔法使いであろうと、早々負けはしない」

 しかし、才人がかなり自信満々の雰囲気で俺とルイズが作ろうとした、決闘回避への流れをへし折って仕舞いました。
 これは、才人自身も、自らが伝説の使い魔で有ると言う事を知っていると言う事ですか。

「確かに才人は強いな。光を避ける事も可能やったからな」

 俺が、少し揶揄するように、才人にそう言った。
 そもそも、相手の実力も判らないのに、どうやって勝つ心算なんですか、貴方は。
 光を避けるのは、時間を操る能力が無ければ無理でしょうね。当然、そんな事は俺には出来ません。もしかすると、伝説の使い魔の才人になら出来るかも知れないけど、普通に考えたら、流石にそれは無理でしょう。

 もっとも、俺の場合は避けると言うよりは反射する事の方が多いのですが。

 俺の言葉に、才人の顔色が変わり、そして、表面上は平静を装っているワルド子爵から、それまでの彼から発せられた
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